蒼天航路 〜ドローンと空撮とキャンピングカーのブログ〜

Drone Aerial Shoot ドローン空撮屋のブログです。その他にも、キャンピングカー、空モノを中心としたラジコン関連の雑感なども書いていきます。

キャンピングカー リチウムイオンバッテリー関連 lifepo4

キャンピングカーへ lifepo4 リチウムイオンバッテリーを取付けるお仕事

投稿日:2020年10月19日 更新日:

この半年の出来事

僕は一応、音楽業界の会社に勤めています。詳しくは書けませんが、スタッフとして全国津々浦々旅していた時もありました。しかしこの業界は現在コロナの影響をまともに受けておりますので、2月の終わりくらいから、会社の指示として在宅ワークまたは休業しています。休業分は雇用調整助成金を申請しているのだと思います。

休業・在宅勤務っつってもライブが無ければ在宅でやる事もそんな多くないので、多趣味な僕はここぞとばかりにそっち方面に力を入れるわけです(笑)

3月下旬にキャンピングカーにlifepo4を組んでYoutubeに公開したのが4月。直後に「自分の車にも取り付けてほしい!」とメールを頂き、機材(バッテリーとか)を揃えて大阪のバンテックZILに取り付けて、それをまたYoutubeに公開したのが6月。

それ以降も多くの問い合わせを頂けておりますが、BMSなどの小さな物を除き、在庫は殆ど持っていないのでその都度取り寄せる事になるため、その間に一時休店していたネットショップをBLUE SKY CAMPER PROJECT にリニューアルして再開。

自分の車にヤフオクのインチキソーラーを付けたり、ルーフエアコンをlifepo4で動かすという目標を叶えたのが7月。

夏は関西に住む家族(お別れしてるので元嫁と子供たち)やルームメイトとキャンピングカーで旅して遊んだりしつつ、友人に頼まれた自作ポータブル電源を製作してYoutubeにアップしたらプチバズり、ネットショップでの120Ahバッテリーの売り上げが上がって、もろもろ対応していたらあっとゆーまに9月になった。。

そして9月は、6月に大阪のバンテックに取り付けて以降、問い合わせを頂いたキャンピングカーのうち4台にどやどやーっと取付してきたらもう10月。。ついこないだまで夏だったのに。。マジ早すぎる。年なのかな?w

今回から、その取付けさせて頂いたキャンピングカーを1台ずつ、4回に分けてご紹介したいと思います。

4回に分けるのは、4台分一度に書くのがとても大変だからですw

4台のうちYoutubeでご紹介できたのは、今回ご紹介する1台のみなんですよね。。他は撮影拒否されたとかではないんです。単に時間がないだけw 完成するのがいつも夜で、完成したら帰ってしまうのでなかなか余裕をもって撮れないんです。今度、自分がやらせてもらった車を訪ねて、撮らせてほしいな~と思います。

1台目:2003年バンテック レオバンクス

1台目はバンテックのレオバンクスです。この車両はYoutubeでも公開させてもらったので、ご存知の人もいるでしょうが、オーナーさんは熊本にお住いの女性です。キャンピングカーが欲しくなり、現車を見ずにネットでポチッたそうです。凄すぎだろ。。w

現車は北関東にあり既に購入済みの納車待ち。僕がオーナー代理でlifepo4を付けられるかどうか?を下見しに行かせてもらい、機材と納車可能日を待って、また僕がオーナー代理で引き取りに行きました。その後すぐに施工。場所はウチのすぐ隣のコインP。内容は400Ahバッテリー取付と、ソーラー160W×4枚=640Wの設置。施工日数4日の予定でした。

最初の様子

こんな感じ。いたって普通のキャンカーって感じ。

ダイネットのリアシート下です。写真右側に僕もデリカで使っているG&Yuのディープサイクル105Ahが2発並列。これ新品っぽかったな。。オーナーさんヤフオクに出すべき(笑) 写真左側にはエンジンかかってる時だけ動くリアエアコンユニットがあり、その上に高床が作ってあってそこに外部充電器。スグレモノ充電器って正式な商品名だったんですね。センス。。。w 

出力13.3Vの20A。13.3Vじゃリチウムには低いので14.6V40Aのに交換します。

で、最初の写真の手前側(写真下側)の壁面には配電盤が縦に取り付けてある。省スペース的には偉い!ありがとう!そこでいいよ!と言いたくなった。バッテリーの上に横置きされてるよりよっぽど省スペースである。

インバーターはバッテリースペースの外側。配電盤の裏。足元に設置してありました。

時代を感じさえる古い疑似正弦波なインバーターです。

作業開始!鉛バッテリー外して、リチウムを載せる。

外す前はこんなかんじ。

バッテリーの奥に見える鉄のLアングルはシートベルトを固定しているので外せない。シートベルトも奥の壁とバッテリーの間を通る。なので、バッテリーはここより前に置くことになるが、そうすると奥の壁との間に隙間が出来るので、間にそれなりにうまくカットした木を奥の壁にLアングルで固定し、バッテリーが後ろに倒れないようにする。写真はないけどw

外してみたところ↓

この赤矢印がシートの板が乗っかるところ。床から約285㎜。ここより高くなると、シートの板に下駄を履かせてかさ上げしないとバッテリーは縦置きに出来ない。バッテリーの高さは285mm。そこにバスバーやらボルトを付けると約25mm高くなる。横置きにすると、厚さ71mm×4枚でちょうどピッタリになる。試しに置いてみた。ご覧の通り。

ピッタリなのである。しかし、横置きの是非については海外のフォーラムをかなり調べたが「大丈夫」という確証が持てない。

「電解液は液体の状態で入っているわけではなく、内部のシートに染み込んでいる状態なので大丈夫だ!」という意見もあれば、「しばらくは大丈夫だけど、長期間使っているうちに毛細管現象によって端子付近に電解液が移動し、端子間で短絡する。これは縦置きなら重力の影響で起こりえない」という意見もある。嘘かホントか知らないが、CALBの技術者も否定的だとか。。

個人的には大丈夫な気もしているものの、確証が持てない以上、依頼者様の車でそれは出来ない。短絡は一番避けなければいけない。リン酸鉄とはいえ短絡時の熱で発火しかねないし。なので普通に縦置きにした。イコール、若干嵩上げすることになる。

バッテリーの左側は、高床が作ってあって外部充電器が載っているが、この床と同じ高さでこんな感じでエアコンユニットの上に新たに床を作って広げる↓

その上にBMSやらRENOGYを乗せる。このエアコンユニットは冷房のみなので発熱はそんなにない。暖房はFFヒーターなので。

仮で置いてみた様子↓

バッテリーの左側が隣のエアコンユニットとギリギリになる。バッテリーが写真の左方向に動くことのないように、エアコンユニットとバッテリーの間に押さえの壁を作りたい。しかしエアコンユニットの冷媒が通るパイプとバッテリーの間隔は1-2ミリ。そこだけ壁をカットする形で壁を作る。なおかつ、パイプを少しだけ曲げてバッテリーとの間隔を1センチくらいにした。折れたら一巻の終わり。。怖かったw

壁と床が出来たのでバッテリーを4つ入れて充電器やらBMSを置いてみたところ↓

この時点でバッテリーは前後左右固定されている。

後ろ方向の押さえは、上に書いた通り奥の壁とバッテリーの間に噛まし板を挟んである。右方向への押さえは元からある壁。

左方向への押さえとして、写真の真ん中あたりに見えるが、板の壁を新設した。で、充電器やらが載る床そのものが「つっかえ板(?)」になり、壁が左方向に動くのを押さえている。

前方向への押さえは写真のとおり、板と、真ん中の壁からのL字アングル。

床にも元のバッテリーを固定するための三角のプラスチックのアングル?を移設しており、床面でも押さえている。

これらの作業は全て現物合わせの作業になるため、寸法計って板切って、足りなければホームセンター行かないといけないので時間がかかる。1日半かかった。

配線作業:バンテック車両の鉛サブ充電システムは簡単。シンプル。

この時代のバンテック車両は、キーに連動したリレーによってメインとサブを接続・遮断している。僕が数年前にデリカに組んだ鉛のサブバッテリーと同じ方式。走行充電器は付いていない。

今もサブが鉛の場合は同じ仕組みらしい(違ってたらごめんw)。実際、サブも鉛ならその方式が安くて簡単なのだ。充電制御車じゃなければだけど。ただ、バンテックのメカの人が電話で言ってたが、以前はメインバッテリーからサブへの配線を取っていたが、最近はオルタネーターから取っていると言っていた。その方が大きな充電電流を取り出せるって事なんだと思う。

話がそれたけど、要はリレーで繋いでるだけの簡単システムなので、lifepo4向けに経路を替える作業も簡単って事です(笑)再利用・流用できるケーブルは使いつつ、半日で終わる。

強化バスバー初めて採用

宣伝っぽくなるけど、当方オリジナルで作成した強化バスバーを初めて取り付けた。

400Ah lifepo4バッテリーに標準で付属してくるバスバーの厚みは1.8mm×幅30mmほどなのだが、このバスバーは厚み5mm×幅30mmの銅材を使用しており、表面に酸化防止のニッケルメッキ加工を施してある。※この車両には無垢の銅材バージョンを使いました。両方対応可。
バスバーの断面積は150㎟あり、400Ahまでの大電流に耐えられる。

他に、プラス/マイナス端子用に、それぞれL字・Z字(写真参照)金具も付属。バッテリーへのしっかりしたケーブル接続が容易になります。

車内100V系を常時使いたいので、コンタクタリレーの取付

この時代のバンテックだけなのかどうか?知らないが、この車両は12V系と100V系が完全に分かれていた。外部電源を挿さないと、車内の100Vコンセントは使えない。インバーターはあるが、上の写真の通り、何にも繋がっていないので、「100V機器を使いたいときは延長コードなりを使って使ってくださいねー」的な仕様。

せっかくリチウムにしたわけだし、せっかく車内に100Vコンセントがあるんだからインバーターでも使えるようにしたいじゃん! という事で、コンタクタリレーを取り付けた。使ったのはこれ。2A2Bタイプ。

  • インバーターからの100Vを既存の100V系に割り込ませる。
  • 外部とインバーター両方から100V入力がある時は外部を優先して使う。
  • 外部充電器は外部電源接続時のみ作動するようにする。

これができるようになった。外部とインバーター両方から100V来ている時は外部優先で使い、外部を抜けば瞬時にインバーターからの100Vに切り替わる。切り替え時間は50ms。この車には100Vのテレビがついていたが、切り替え時に電源が落ちる事は無かった。他の車両に取り付けた時は、家庭用エアコンも落ちなかった。 PCは落ちるかもしれない。が、そもそもキャンカーの中でデスクトップPC使わないしw ノートPCは落ちないしね(笑) 個人的は金額も考えると充分かと思う。不満な方はもっと高速でスイッチングできるものにされたら良いです。

あとはもろもろの配線。外部充電器を14.6V/40Ahのものに取り換え。温度制御の排熱ファンも取付けて、3日目にバッテリー取付は終了した。

640Wソーラーの設置

4日目は台風で作業できず。。 5日目。ソーラーを取り付けます。

僕のショップで売っているETFE160Wフレキシブルソーラーパネルを4枚。合計640W。

リンク先の商品ページにまで書いているが、自分がヤフオクのインチキパネルに騙されたのを教訓として、意地になって探した「出力に偽りないパネル」ですw

設置は両面テープ&全周シーリング。接続方法は並列。理由は充電器の仕様。並列なので最大で30A近くの電流が流れるので、ケーブルは5.5sqの太い物を使用。

もともと100Wのフレーム式のパネルが付いていて、オーナー様は外すことを希望していたので、ケーブル通す穴はそこを活かす。ルームメートちゃんに手伝ってもらって、よいしょー!よいしょー!とケーブルを引き、二人でパネルを持って設置した。両面テープを貼ったパネル設置は1回勝負なので毎回ドキドキですw 

設置完了の図↓

MC4ジャンクションコネクターは野外用ケースに入れた↓

そして完成!

シート嵩上げは50㎜。写ってないけど、バッテリーの上にはカバーが付く。カバーとシート板の下面との間隔は計算上8mmくらい。

作業日数4日。途中で買い物に行ったりした時間も合わせて、延べ40時間くらいかな??

熊本へ陸送! 使用感・雑感

そして、熊本へ陸送しました。

走行充電

予想はしていましたが、走行充電は弱かったです。10Ah(150W)くらいしか確認できず。陸送中もずっとそんな感じ。

上にも書いたけど、この時代のバンテックはサブへの配線をメインバッテリーから引いているため・・と言いつつ、それが原因か?はハッキリとはわからないけど。。とにかく弱い。10Ahじゃあ単純計算で満充電まで40時間かかるわけで。全く実用的じゃありません。

オルタネーターから太いケーブルで直接引っ張れば改善するのかなぁ?オーナーさんが地元の電装屋さんに頼んで、その施工をやってもらうみたいです。その結果を待っているのですが、これを書いている10月現在、まだやってないみたい。電装屋さんに一緒に行ったのに・・w いつやるのだろう? わかったらここで結果報告します。

640Wソーラー充電

前の記事でも書いたけど、ソーラーパネルってのは公称出力の100%の出力は出ません。

60-80%の出力が出ればまともなパネルだと思ってます。ウチで扱ってるパネルは160W4枚で640Wなので、70%だと約450Wくらい。上のYoutubeでも紹介している通り、しっかりと70%出力しています。

これだと晴れれば1日で35-40%ほどの充電が可能。満充電まで約2~2.5日。

最近は付けてみないとどのくらいの電流が流れるかわからない走行充電よりも、屋根にスペースがあるならソーラーを600Wくらい積んだ方がよほど幸せであり、精神衛生上良いと思う。

40A外部充電

コンタクタリレーにより、外部充電を繋いだ時にだけ作動する。作動すれば40Aしっかり出ます。実際の消費電力は700Wほど。

まとめ

キャンピングカーってのはあの空間にどんな設備を付けるか?については、もう出尽くしていると思う。新しいか古いか?と違いはあれど、基本的な設備は昔からほとんど変わらない。

新しいのは照明がLED?LEDなんていくらでもある。変えりゃいい。間接照明?LEDテープ付けりゃいい。家庭用エアコン?後付けできるじゃん。

要は、キャビンの設備なんてのは後からいくらでも交換・改良が出来る。

大事なのはそれを動かすための余裕ある電源です。映画アポロ13でも言っていたように「電力が全て」なのである。いくら最新のキャンカーでもサブが鉛の100Ahじゃキャンピングというか、キャビンでの生活(?)はショボくなる。

逆に古い車でも400Ahリチウムとソーラーを積めば最新キャンカーとタメ張れるくらいの設備になる。まずは余裕ある電源を備える事が快適なキャンピングカーライフへの近道だと思うし、その「備え」は万一の災害時等でもとても役に立つはず。走行充電は燃料がいるが、ソーラーを600W程度積んでおけば、約2日で満充電になるし、余裕ある電気があれば大抵の事は出来る。

今の鉛サブがヘタった際には、是非次はリチウムにされることをお勧めします。

実際、僕は「もう家いらないな~」と思い始めていますw 

僕のDUCATOは故障が多いのが玉に傷だけどね。大好きな車なんだけどなぁ~。。今また修理中です。いい加減な修理屋のおかげで甚大なダメージになってしまい、ヘッドOH中です。これについてはまたの機会に。。。

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名前 : 岡崎 慎一

5歳でトイラジに出会い、それ以来ブランクはあれどずっとラジコン好き。
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ドローンの他、登山とマラソンとロードバイクと天体撮影とラジコンと音楽とデリカスペースギアとPCとカレーが好き。 これら全部を活かして、旅をしながら稼げるバックパッカーとなり世界一周に憧れてます!
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