340Wソーラー発電が止まらないw
はじめに。ソーラーチャージコントローラーを使ってる方には役に立たない記事かもですw
さて、前回設置したソーラーパネル。本来の狙いから200Wも下回ってしまったとはいえ、それでも最大340W。
実際の使用で250Wくらいは出ると思われる。電流にして19~20Ah。1日4時間発電してくれれば、だいたいその日使う分のエネルギーは得られる。満充電でなければ心強い。
しかし、満充電になっても発電は続く。。結果、過充電になる事が予想されます。
なので、電力を消費しなければいけない。そのためにずっと車に住んでいる(笑)
1日中車で生活したとしても使う容量はせいぜい60Ah~80Ah。400Ahに対して15~20%なので、80%程度まで低下したバッテリーであっても、日中4時間ソーラー充電するとすぐに満充電になってしまう。
前も書きましたが、リチウムイオンバッテリーを満充電で長期間放置するとバッテリーを痛める 事になります。
なんか対策しなくては。
電圧測定と満充電の見極めの難しさ
おいおい。13.6VになったらBMSが充電を遮断してくれるんだろ!?って?
はい。遮断してくれます。
しかし、そう簡単でもないんです。これを見てください。BMSのスクショ。5倍速です。
充電中、BMSをずっと見てるとすぐわかるんですが、バッテリー電圧てのは、定電流・定電圧(CCCV)でなら、電圧は徐々に計ったように上がっていくんですが、ソーラーや走行充電の場合は充電電圧が14.4V(RENOGY充電器の出力値です)であっても、電流量(Ah数)が刻々と変化します。
充電電力量(パワー。単位W)=電圧(V)×電流(A)
なので、Ahが変われば当然パワー(W)も上下する。それに連動して、バッテリー電圧も上下するんです。この動画はソーラーだけの状態だったので最大で200W程度ですが、動画の最後で150Wくらいになった時、13.52V→13.50Vに下がってるでしょ?
逆にここに走行充電も加わるとパワーは450W程度になります。そうなると、動画では13.4~13.5Vだった電圧も、「満タンとみなす電圧」である13.6Vまで一瞬で跳ね上がります。しかし、200W程度まで落ちれば電圧も13.4とか13.5V程度までまた戻る。
また、「飲み込み」の問題もあります。13.6Vまでもっていくにはある程度の充電パワー(Ah数が高いこと)が求められる。例えばソーラーで40W(3Ah)程度のパワーでは、BMS上の表示はゆっくりと、1時間に3Ahずつ容量が増えていくものの、いつまでたっても電圧は上がっていきません。その前に日が暮れるけどw
「弱いパワーでは飲み込みが悪くなる(バッテリーに電気を詰め込めなくなる)」
のです。で、日が暮れて翌日になるとまたフルパワーで充電を始める。まぁフルパワーでなら13.6Vまで持っていけるし、13.6VになればBMSが作動して充電OFFにするんだけどね。
このように、バッテリー電圧は一定ではなく、充放電の状況によって生き物のように変化する ので、どこをもって「満充電」とするか?は一概に言えないのです。電圧から残量を割り出している場合は特に。
充電量(パワー)が増えれば電圧は上がる。パワーが弱ければいつまでもバッテリー電圧が上がらない。逆に大きな負荷(放電)がかかれば下がる。充電も放電も無い状態になれば「本来の電圧」に戻る。
こうなると「本当の満充電」がどこにあるのか?を見極めるのは難しいのです。
それをクリアにするため、キャンカー乗りの人たちは週1とか月1とか、定期的に外部充電で定電流・定電圧(CC CV)充電をして「綺麗に」100%までもっていくし、メーカーもそのように推奨します。特に、最初に使う場合は外部充電で100%までもっていって、ボトロニック等のバッテリーメーターに100%の状態を覚えこませたりします。
ただ、スマートBMSの場合は、この記事のように外部充電でCC CV充電をして、1度「綺麗に」100%まで持っていけば、そこから増減(放電・充電)する分は電圧と電流を積算して消費量(残量とも言える)を割り出し、それをスマホで見れるのでその点は優れています。
ボトロニックは6万くらいしますが、スマートBMSならボトロニック以上のきめ細かな監視・設定が出来て6000円ですからコスパは圧倒してます。あとはスマホ使わずに表示・設定できるBluetoothのディスプレイがあればいいんだけどな。中国製でどこか作ってないかな。。w もしくは、ラズパイとかで自作できないだろうか?どなたか詳しい方作ってください&教えて下さい!
ちょっと逸れましたが、前も書いた通り、僕はバッテリーの満充電を100%としたときに、残90%~30%(無理しても20%)の間で運用したいと考えていて、残量90%の電圧を13.6Vと「仮定して」設定しているだけです。本当に90%かどうか?はわからない。95%かもしれない。しかも、どのように充電するか?によっても変わる。
が、実際にはとにかくBMSが「13.6Vになったら100%」として表示するので、残容量は頭の中で「10%マイナス」して見ています。
なので、BMS上で30%くらい(実際は20%)が限界ギリギリかと。ボトロニックを扱っている某社の注意書きにも「弊社のリチウムイオンバッテリーを使う場合、残20%が使用の下限です」と書いています。同じ意味ですね。0まで放電させると痛めるんです。
ソーラー充電による過充電を回避する。ソーラー充電リミッターを自作。
そんなわけで、外部充電以外は常にパワーが増減→電圧も上下するバッテリーですが、冒頭で書いたようにソーラーがバッテリーを「ゆっくりと」過充電させてしまう恐れはあります。実際はパワーが弱すぎてバッテリーに「飲み込ませられない」だけかもしれないし、発電ピークを14時までと考えて、そこから日没まで数時間=多くても30Ah程度なら大丈夫かもしれないし、心配ならブレーカーを落とせばいいんですが、車降りなきゃならんし。めんどくさいし。忘れるし。ここはやっぱり自動化したいです。
せっかくソーラー増設したのに、早速その働きを制限するとはなんという皮肉w
しかし、ソーラーパネルの容量に関わらずこの問題は発生すると思います。普通はソーラーのチャージコントローラーで設定できるんでしょうが、RENOGYの充電器の過電圧保護は16V と高めなので現状は役立たず。RS485で通信は出来るようだが、今のところは設定値のカスタマイズは出来ない。
BMSによる13.6V制限も、上に書いた通りパワーによってバッテリー電圧が変動するうえ、弱いパワーでダラダラ充電しても電圧が上がらないので、やはり新たにソーラーを遮断・接続する機器を追加するしかないですねぇ。
脳内プラン。「ソーラー充電 リミッター ユニット ZAKIO SCD-01 ver.1.1」
「ソーラー充電 リミッター ユニット ZAKIO SCD-01 ver.1.1」と名付けることとするw
SCDはSolar charge disconnector の略のつもりw
ver. 表記は完全におふざけですw アニメのシュタゲに出てくるメカに強いデブヲタのネームセンスのマネですw
要は、電圧を監視して、電圧が設定上限を超えたらソーラーを切り、設定下限より下回ったら充電を再開するシステムにすればいい。
→そんな「電圧監視機能」があるリレースイッチがあればいい。
電圧計測リレー DVB01
→あった。買った。型番は DVB01 です。電圧計測リレー。全部で5つの機能。そのうちの1つがまさに狙い通りの機能。しかも電源切っても設定を忘れないおりこうさん。
→でも、このリレーはソーラーの30Ahなんていう大電流は流せない。このリレーの出力線を使って、別の大容量リレーを駆動する必要がある。
→大電流対応のリレーとなると、いつも使うのは機械式のメカニカルリレーだが、スイッチON/OFFに伴って発生する「逆起電力」が周りの機器を壊すかも。メカリレーではなく、機械式接点のないソリッドステートリレー(半導体リレー)を使いたい。
ソリッドステートリレー SSR-100 DD
→探してみた。あった。買った。型番は SSR-100 DD です。最後の「DD」は入出力共に直流で事を表すんだと思う。AC版は「DA」とかになる。
100Ah 対応のDC-DCソリッドステートリレー。バングッドで見つけたが、Amazonにもあって、さらにソーラーシステムの販売で有名?な、蓄電システム.com でも扱っていた。同じような人がいるんだな。なんか安心。Amazonは在庫切れもしくは海外からの発送で日数かかるのでこちらで購入。
おそらく、日本でこのリレーを扱っているのは蓄電システム.comさんだけだと思う。えらい。
逆流防止ダイオード入り MC4コネクター
→ソーラー設置の時は不要だと考えていた逆流防止ダイオードも、これからリレーで遮断・接続を繰り返すのなら、各パネルに入れようと考えなおした。買った(笑)
降圧コンバーター
→あと、電圧監視リレーの動作電圧は12V±10%だそうな。えー。バッテリーの上限電圧13.6Vなのに。もう少し広い範囲にしてほしかった。。じゃあついでに常に出力を12Vに保つ 12Vのレギュレーター (降圧コンバータ)も買うか。。買った。
これの白いスイッチはオン/オフのスイッチなんですって。てことは、手動でリレーのオンオフ=遮断・接続ができるってことか?ブレーカー要らないやん。素敵。
ケース、ネジ類、ヒートシンク、ファン
→上に書いたのが主要なパーツ。この子たちを何に入れる? というわけで、アキバのラジオデパートでアルミ製のケースを買った。上の3つをケースに搭載するためのネジとスペーサーと、放熱があった時のためにヒートシンクと12Vファンも一応買っておいた。使うかわからんが。
ファンは12Vで消費電力も知れてるので、リレーの出力につないで連動させればいいかもしれない。
こんなもんでしょう。合計6000円くらいだったと思う。
揃ったので組む。
組むのは簡単です。
→屋根に上がってダイオード入りのMC4コネクタを入れる。既存の配線に挟み込むだけでOK。10分で終了。長くなってるのが新たに入れたダイオード入りコネクタ。
→次に「ソーラー充電リミッターユニット」のパーツをケースに固定。なんとなく「装置」っぽくなった。(笑)
もっと大きいケース買って、BMSも全部入れてしまうのもアリかも。放熱もしやすそうだし。でもケースって高いんだよねぇ。。。
降圧コンバーターの設定
まずは電源の設定。写真上の青い部分の金色のネジを回すと出力電圧を調整できる。
電圧計測リレーの動作電圧は12V±10%なので、下限は10.8V。出力側にテスター当てて11.1Vに設定した。
電圧測定リレー DVB01 の 使い方
電圧測定リレーの使い方は先人様がアマゾンのレビューに書いてくださっている。ありがたいことだ。一応、ここにも簡単に書いておく。
SETボタン長押しで、設定に入る。
P-0と表示される。P-0~P-5まである。SWボタンで切り替え。各設定が終わったらSETを短押し。
- P0=動作モードの設定。動作モードは5個。F-1~F-5まで。各動作モード詳細はAmazon見てください。SWボタンで切り替え。充電の場合はF-2です。普通は。
- P1=上限電圧設定。設定値の変更は+・-ボタン。
- P2=下限電圧設定
- P-3=表示される計測電圧とテスターで計ったバッテリー電圧に誤差があった場合、修正できる。素晴らしい。表示・設定は0.1V単位。テスターと合わせて見ていると、四捨五入だと思う。0.1V高く表示されたので下げた。
- P4=リレーオンの遅延時間設定。
- P5=リレーオフの遅延時間設定。
全て設定終わったらSETボタン長押しで動作開始。
DVB01の配線
配線はこの写真を参考に。車に取り付け後だけどw
マイナスは電源からSSRリレーに直結。プラスをDVB01を経由させる。NC,NOは自分の使いたい機能を考えてどちらかに繋ぐ。
- NC=ノーマリークローズ。リレーに通電していないときに回路が閉じる(ON)。通電時はOFF。
- NO=ノーマリーオープン。リレーに通電していないときに回路が開く(OFF)。通電時はON。
DVB01の動作モードの設定次第で、NC,NOどちらでもいいのだが、普通に考えて、リレーオンでSSRリレーに通電させる方がわかりやすいので、NO側→SSRリレーへ。リレーに通電しているときに回路がクローズ(閉じる)してONになる。
電圧上限は、200W程度を発電していた時に頭打ちとなっていた13.5Vに設定。上回ればソーラーを遮断する。
本当は13.53Vくらいにしたいところだが、残念ながら設定単位は0.1V単位。13.6にしたのではこれを付ける意味がないw 13.5V以外選択肢はない。下限はとりあえず13.0Vにする。残量約70%程度だと思う。そこまで落ちたら、13.5Vになるまでソーラー充電する。
「ソーラー充電 リミッター ユニット ZAKIO SCD-01 ver.1.1」完成!
車に取り付けました。+線はバッテリーに。-線はBMSの出力部に付けて、本体をBMSの横にスペーサーでかさ上げしてネジで固定しただけです。
動作の様子はYoutubeをご覧ください。
動作中のスクショはこちら。
前日から94Ah消費。テレビやアマプラなどをずーーっと点けっぱなしで見ながら、このユニットを製作して取り付け、この記事もキャンカーで書いているのでいつもよりちょっと多めです。
12時過ぎのソーラーにとって一番おいしい時間ですが、ソーラー発電が止まっています。
電圧が13V以下になると、リレーが繋がって発電を開始します。このスクショだと77%で13.06Vなので、やはり70%くらいからの充電再開になるでしょう。
実は、このスクショを撮る前。10時半頃に一度、DVB01の設定を変えて30分ほどソーラーに通電テストしてみました。ちょっと心配だった発熱は30分の通電では皆無でした。すばらしい。
まとめ
記事中でも書きましたが、ソーラーチャージコントローラーで設定できる場合はこんな装置は必要ないのかもですw
しかしながら、
走行充電・MPPTでソーラー充電 2in1で省スペース・50Ahまでの大電流充電・高コスパのRENOGY充電器をlifepo4で使う場合
は、現状ではRS485でのモニターやカスタマイズは出来ないのでこいつを付けた方がいいかなぁ。と思ったのでした。
これで、
必要になったらソーラーを使い、常にバッテリーを満充電手前で保つ、安全なオフグリッド生活
が出来るようになると思います。
電圧コントローラーでSSRをうごかしたんですね。
電圧コントローラーもいくつか試しましたが精度が今一なので不満があります。
DCのSSRはコントロールは簡単ですが、発熱がかなりありますから注意が必要かもしれませんね。
うなぎさん!コメントありがとうございます。
僕も発熱を心配していて、ヒートシンクやらファンも買っておいたたんですが、今日、200Wくらいの充電を3-4時間した限りではほんのり暖かい程度でした。
拍子抜け。。。100Ah版だから余裕があるんですかね?
引き続き様子を見ます!
初めてサイトを拝見いたしました。
ちょうどリチウムバッテリーの導入を検討していたところです。
たいへん参考になりました。
大きめのキャンピングカーをDIYで全面改装しております。
コメントありがとうございます!
キャンカー DIYリノベ楽しいですよね。
参考にしていただけてれば嬉しいです。
頑張ってください!
はじめまして。
このサイトに、リン酸鉄リチウム・・・キャンピングカーでたどり着きました。
前回からの記事を読ませていただき、大変参考にさせていただいおります。
そこで質問があるのですが・・・、私もアリババから購入しようと思うのですが、
関税とか税金とかはどうなっていましたでしょうか?
教えていただけるとありがたいです。
こんにちは。コメントありがとうございます。
関税、税金かからないです。
送料は3万円と高かったですけど。
他の方に代理購入を頼まれたんですが、その際は、コロナの影響で送料が更に高くなってたんですが、あっちの業者さんが関税かからない配送業者を選んでくれました。
そこじゃないと180ドルくらいかかると言ってました。
ZAKIO様ありがとうございます。
私もアリババに注文しました、400Ahは予算上無理でしたので280Ahを
送料込みで6.5万円で購入しました。(関税と税金がかかると言われてましたが
いくら位かかるかはまだ不明です)
他に、走行充電装置をRENOGYのDCC50SにするかCTEKのD250SEにするか
思案中です。RENOGY社は安くて良いのですが太陽光のチャージコントローラーが2年でだめになったのでイマイチ信用できません。
う~ん、悩みどころです・・・・。
おー楽しみですね。
走行充電器は他にこんなのも有りますよ。
https://www.emarineinc.com/Sterling-Power-12V-130A-Alternator-Charger-AB12130
一応検討したんですが、RENOGYのコスパには勝てませんでした笑
CTEKも高いですもんねぇ。
あと期待通りの電流量が流れない可能性もあります。
僕がいまいちわかってないのだけかもしれないのですが、充電器の容量を大きくしても、流れる電流は結局はオームの法則によるんじゃないんですかねぇ。。?
要は「電流を上げるには電圧を上げるか抵抗値を低くするしかない」と思うんですよ。オルタネーターの容量足りないだけかもですけど。
上げられる電圧には限りがあるし、バッテリーの抵抗値も変えられないので、あと出来る事と言えばケーブルを太く短くしてそこの抵抗値を下げるくらいしか思いつかなくて。
ウチのオルタネーターは150Ahと大きめですが、走行充電は良くて25Ah(350wくらい)です。ケーブルは既存のなので細めの8sqで5mくらい。多分ここを太くしたら電流上がるのかなぁ??エンジンから後ろまで太い配線通すとか全くやる気ないですけどね笑
何が言いたいかと言うと、大容量の充電器買って思ったほど電流出なくても落ち込まないで下さいって事です。
RENOGY以外試した事ないので、ぜひCTEK購入して実験してみてください笑
はじめまして。13年落ちのバスコンですが、電気関係のリフレッシュを計画していますが、コストを含め大変参考にさせていただいています。まだ到着しておりませんがCALB CA400(多分同じサプライヤーさんです。)を購入しており、購入後にあなたのYou Tubeに出会いました。補記類も含めほとんど同様のものを入手しており、申し訳ないですが、ほぼマネになっていると思います。設置まではまだ時間がかかるでしょうが、色々と教えていただければありがたいと思います。よろしくお願いいたします。
こんにちは。コメントありがとうございます。
燃えない保証は無いですが、マネして貰うのは構いません笑
実は、別の方から17年落ちのジル に同じのを積んでくれと言われて積んだ動画を本日公開します。
18時頃かな。。
よかったら見て下さいね笑
ZAKIOさま
返信ありがとうございます。本日公開、期待して待っています!