蒼天航路 〜ドローンと空撮とキャンピングカーのブログ〜

Drone Aerial Shoot ドローン空撮屋のブログです。その他にも、キャンピングカー、空モノを中心としたラジコン関連の雑感なども書いていきます。

キャンピングカー リチウムイオンバッテリー関連 lifepo4

キャンピングカー のリン酸鉄リチウムイオン(lifePO4)バッテリーの取り扱いと、Xiaoxiang BMS の設定に…

投稿日:2020年4月19日 更新日:

やっとlifepoサブバッテリーシステムの機材が揃った。

1月17日にアリババにlifepo4 400Ahを4つ発注したのを始めとして、走行充電器やBMSも注文し、デリカスペースギアのサブバッテリーを組んだ時と同じようにアキバの九州電気さんでケーブルを買い、圧着端子も揃え、やっと最低限、サブバッテリーシステムとして組めるほどの機材が揃いました。

揃えた機材

前の記事にも書きましたがまとめ。

  • lifepo4 バッテリー:CALB CA400 4つで送料込み140000円
  • 走行充電器:RENOGY DCC50S (ソーラー充電器と1台2役) 25000円
  • スマートBMS:SP04S005   6000円
  • ケーブル 14SQ(50A想定) & 圧着端子 10000円くらい
  • バッテリーボックス用コンパネ 3000円くらい

以上です。合計 184000円。

これで最低限。あと追加するとすればソーラーパネルと、発電機を使用した時にサブを充電する用の、100V入力のlifepo4充電器です。

揃うまでの間、アタマの中はずっとサブバッテリーの事ばかり。前の記事で書いた先人様である「うなぎさん」のブログでも質問させてもらい、やっとバッテリーの管理方法などが脳内でまとまりました。まず、それを書きたいと思います。

一番重要な バッテリーの管理について

リン酸鉄リチウムイオンバッテリー(lifepo4)は、コバルト系のリチウムイオンバッテリーと違い、その化学的性質から発火・爆発等の危険が少ない安全性の高いバッテリーだと言われてます。

とはいえ、やはりリチウムイオンバッテリーな事には違いないので、デリカのディープサイクルのサブバッテリーの時のようにACCに連動させたリレーでメインとバチ!っと接続するだけ!みたいにはいきません。それなりに取り扱いの注意点を知っておかなければね。あと過充電や過放電させないよう管理する必要がある。

なので、まずはリチウムイオンバッテリーの取り扱いについてと、電気的な管理のために使ったスマートBMSについて。「スマートBMSだとこういう風に管理できる」とイメージできるよう、僕のシステム完成後のスマートBMS管理画面を例にして解説していきたいと思います。Lifepo4をお考えの方に参考になればうれしいです。

まずはリチウムイオンバッテリーの取り扱い注意点

いくつかあるんですが、特に注意したいのはこの4つ。

1.フル充電で長期間放置しない

ここはドローンのブログでもあるので、ドローンを例に出しますが、DJIのバッテリーもそうですよね。満充電で長期間放置すると劣化します。すぐに使うならフル充電する事自体はOK。その状態での長期保管はNG。

なので、DJIのドローンバッテリーには自己放電機能が付いています。意外と知られていない(?)が、アプリ上で「何日経ったら放電を開始する」という設定項目が存在します。

自己放電中はエネルギーを熱に変えて発散させるのでほんのりと暖かくなります。

僕はMAVIC AIRは遊び用なので放置してますが、PHANTOM4PROの方は放電させるために飛ばしたりとか、ちょっと気を使ってます。

2.完全に使い切らない

完全に使い切るのもバッテリーを痛めます。ちょっと残したほうが長持ちするのです。DJIもデフォルトだと残り30%でアラーム鳴りますよね。あれはバッテリー保護のためです。

また、放電しきった状態で放置するのもNGです。これが一番、フル充電よりも痛めます。

上記1と2の補足

この1と2をキャンピングカーの場合に置き換えて考慮すると、充電方法は主に走行充電とソーラー充電になりますが、ソーラーの方は勝手に充電されるため、ソーラーパネルと充電器の間に何らかのON/OFFスイッチを入れておきたいところです。たとえばバッテリー電圧を監視して、満充電よりだいぶ手前(70%くらい?)の一定の電圧以上になったらソーラー充電をオフるとかですね。この記事を書いてる時点ではソーラーが100Wのため、1日に充電できる量は微々たるものなのでまだ付けていませんがソーラーを増設する時は必須かも。

3.低温・高温に注意

低温で充電した場合、「正極から出たリチウムイオンが負極に吸収されにくくなり、リチウム金属が析出しやすい」んだそうです。なるほど。わからん。高温でも劣化する。とにかく低温・高温には弱いわけです。

バッテリーの仕様に使用可能温度の記載があるので、確認しておきましょう。僕の購入したCA400 は

充電可能温度:0℃~45℃ / 放電可能温度:-20℃~55℃

となっています。

4.衝撃注意

車に積む以上、ある程度の衝撃は仕方ない。サスペンションを装備するわけにもいかんし。車と運命共同体になってもらわねば。

ただ、箱の中でガタガタしたりしないようにはしておきたい。そのためにはバッテリーを収めるボックスの内寸を、バッテリーを4つ並べた時とピッタリにしておきたい。

バッテリーの電圧管理

上までは物理的な取り扱いの注意。加えて、電気的な注意(というか管理)が必要になります。

過充電・過放電・過電流・短絡・温度から保護しないといけません。保護する方法はいくつか考えられますが、BMSを使うのが一般的なのは前回の記事でも書いた通り。

で、今回僕はスマートBMSを使いました。結果から言うと、今のところは不具合はありません。

Xiaoxiang BMSでスマートBMSをスマホで管理する。

使ったのは中華製のスマートBMS:SP04S005 です。24時間・365日バッテリーを監視し、その状況をスマホアプリで確認・設定できます。

アプリは xiaoxiang BMS です。iPhone、Android両方あります。

バッテリー状況の確認画面

見てもらえればわかると思いますが、上から

  • 残量%
  • バッテリー電圧(4セルの合計電圧)
  • 残Ah数
  • 充電電流Ah/放電電流Ah
  • パワー(W=電圧V×電流Ah)
  • 温度1:バッテリーに取り付けた温度センサーの温度
  • 温度2:BMS基板の温度
  • セル電圧1~4と、4つのうちの最大電圧/最低電圧/その電圧(mV)

SessionValues

BMSを起動してからの各パラメーターの記録。最大&最低電圧・電流・最大出力。リセット可能。リセットしてからは、その時点からの数値となる。

BMS infos

  • 生産者名・デバイス名・製造年月日の他…
  • バッテリーサイクル=充放電サイクル数
  • 各保護機能の発動回数。

BMS設定画面

(各設定値を3月1日に改訂しました。画像と本文が異なってますが本文が現在の設定です)

上から順に。

Capacity configuration

Designed Capacity

バッテリーの設計容量。単位はmAhなので、400Ahなら400000mAh

Cycle Capacity 

バッテリーの実際の使用容量。この容量を充放電する事でサイクル回数が「1」増える。僕は8割である320000mAhに設定しています。

Full Charge Voltage

100%とするセル電圧。3.46Vにしています。

End of Dischg.Volt

放電終止電圧。2.8V設定。

Discharge Rate

自己放電率。バッテリーのカタログスペックを入れたらいいです。0.3%くらい?

80%~20% Cap Voltage

このBMSは初回起動時・及び各設定を1つでも変更した後、その時のセル電圧から推定した「仮の残量値」を表示します。その「仮の残量値」を算出する基準となる数値がこれ。このBMSは電圧と充放電の電流を24時間365日監視する、いわば「クーロンカウンター」(積算電量計)なので、一度満充電電圧に達して「100%」を認識すると、になると、あとは使用電力を積算して残量を表示する。

Balancer Configuration

このBMSは各セルの電圧をそろえる「バランサー」機能もあります。ただし、バランス電流のカタログ値は50~60mAhとなっていて、400Ahのバッテリーに対してはとても弱すぎます。。これを改善するために別途「アクティブバランサー」を搭載するという事も考えられます。アクティブバランサーはバランス電流3~5Ahを流せるバランサーです。

ただ、電気ってのは電圧が高いほうから低い方へ流れますので、セル間で電圧バランスが崩れても30分~1時間もすると勝手に揃います。なので、アクティブバランサーは購入はしたもののまだ取り付けていません。

というわけで、

Start Voltage

バランス機能を開始するセル電圧

Delta to balance

1番電圧が高いセルと1番低いセルとの電圧差が何mVになったらバランサーを作動させるか?の値。

Balancer Enable

バランサーの有効・無効

Bal. only when charging 

充電時のみバランスさせるかどうか?

Function Configuration

追加スイッチの有無・LEDのオン・オフ。このBMS では使わないので割愛します。

Protections

これが重要な部分です。「バッテリーを保護するための設定値」です。

画像の設定値は僕が現在運用している暫定値です。そして、適正でない設定値もあるかも。でももう半年以上変えてない。

Cell over voltage

セルの最大電圧。この電圧に達したら充電を止める。3.48Vにしてます。それとリリース(充電再開)電圧。3.39Vにしています。

差が小さい理由は、充電を止めればこのバッテリーは3.39以下に必ずなるから。リリース電圧を例えば3.2Vとか低くすると、リリースされるまでの間BMSがちょっとおかしな挙動をします。現在未解決ですが、要は3.41V以上になった時点で充電を止める機能がちゃんと働けばOKなので、いまはこれでいい。そのうち原因突き止めたら加筆します。

ちなみに、この記事で使ってるBMSの設定画面は、走行充電で残量が100%表示になってから、4日間キャンカーで生活した時点での設定画面です。ようやく残量60%。全然減らねぇ。。車内にいるのは主に23時~翌日午後くらいまで。その間、寝てる時間もありますが、起きてる間はこまめに節電してモニターや不要な照明を消す!とか一切していません。モニターはAppleTVかTVでずっと点けっぱなし。それでこの残量。昼は100Wのソーラーで5%くらいは充電されてます。

現在は620Wなので30%くらい充電されます。電力自給自足可。

Cell under voltag

セルの終止電圧。この電圧まで落ちたら放電を止める。2.6V  2.8Vに設定。ちょっと低すぎるかも。4セル合計10.4Vじゃ照明くらいしか動かんよ。直したいけどためらってしまう。 リリース電圧(放電再開電圧)2.85Vにしています。

Batt over voltage

4セル合計のバッテリー最大電圧。先人様である「うなぎさん」の教えにより13.6Vに設定しています。あと充電開始電圧。13.2V。

※セル電圧の部分もそうですが、ここがリチウムイオンバッテリーを長く安全に使うために重要な部分だと思っています。このバッテリーは最大充電電圧3.65Vなので、セルの最大電圧3.65V/トータル電圧は3.65×4=14.4Vでいいじゃん。て思うかもですが、バッテリーの放電曲線を見ると、ご覧の通り3.4Vに達そうものなら100%です。

リチウムイオンを長く使うためには完全充電を100/完全放電を0としたときに、100全部使うと寿命を縮めます。例えば上は90と下は20とか、そういう範囲内で使うと長持ちします。上に書いた「Cycle Capacitiy」も、そのような理由で80%=320Ahにしています。

Batt Under volt. 

4セルの放電終止電圧。この電圧まで落ちたら放電を止める。10.5V  11.2Vに設定。低すぎるかも。リリース(放電開始)は11.8V。

Charge over currrent 

充電最大電流。バッテリーカタログ値の120Ah 150Aに設定。本来は1C充電(400Ah)も可能なはず。しかし、そんな充電電流出せませんw 僕のシステムでは走行充電とソーラー合わせても最大50Ahです。

Discharge over current

放電最大電流。160Ahに設定。ハードウェア的に有無を言わさず遮断される電流は200Ahです。何度かルーフエアコンと電子レンジを同時に使いました。故障はしていません。

Charge over temp / under temp 

充電時の最高/最低温度と、リリース(充電再開)温度。BMSには基板と、バッテリーにつける温度センサーの2つの温度計が付いていて、それの設定値です。このバッテリーは充電可能温度は 0℃~45℃ なので、いまの数値(-1℃~65℃)は間違えてますね。そのうち直します!

Discharge over temp / under temp 

放電時の最高/最低温度と、リリース(放電再開)温度。このバッテリーは放電可能温度は -20℃~55℃ なので、こっちもいまの数値は間違えてますね。そのうち直します!

まとめ

いかがでしたでしょうか。

スマートBMSで管理できる事がイメージできてもらってたらうれしいです。

数値が見れず、付けたらあとはBMSにお任せっていうBMSもありますが、やっぱ見れた方が安心だし。バッテリーによって異なる仕様・数値をスマホで簡単に設定できて、モニタリングできるのがスマートBMSの魅力だと思います。

YoutubeでスマートBMSを使って消費電力をモニタリングした動画を作りましたので見てみてください。

次回は実際の配線や据え付けについて書きます!

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執筆者:


  1. 小林 由人 より:

    はじめまして You Tube から Blog まで いつも拝見させていただいてます。私素人には、大変分かりやすく説明されていて、何度も何度も繰り返し毎日見るのが楽しみです。最強です。 何故ならそれも以前から気になっていたポータブル電源に付いて共感が持てる番組に出合えたほか成りません。 Zakioさんの キャンカー400 アンペアの電源では、持ち運びに無理があると 思うので 私は280アンペアで 作成したいと思っています。( 災害地を考えて ) 大変恐縮ですが スマート BMS に付いて 教えて頂きたいことがございます。中華 BMSの販売サイトをみてると 100A 200A 300A とか 書かれていますが、 この意味は 充電アンペア それとも 使用放電アンペアでしょうか。 280アンペアで組む場合は Zakioさんの使っている BMSと同じ物で大丈夫でしょうか? 教えて 頂ければ幸いです。宜しくお願い致します。

    • ZAKIO より:

      小林 由人さま

      すみません。。。ブログの更新頻度が低いため、毎日見ているわけでもなく、コメント承認だけしてお返事をすっかり失念しておりました。本当にすみません汗
      もう遅いでしょうが一応返信します。

      BMSの100A,200A,300Aの表記は流せる許容電流値です。
      バッテリー容量と、BMSの許容電流値は直接は関係ありません。
      極端に言えば20Ahのバッテリーに300AhのBMSを使っても動きます。
      ただ、バッテリーの放電能力というのは容量が大きいほど大きいので、その意味では20Ahのバッテリーで300A出力するのは不可能だと思いますけど。

      例えば定格3000Wを4S12.8Vのシステムで使う場合、
      電流は3000W÷12.8=234Aですので、300Aでないと不足します。
      実際には電子レンジを動かす目的で1500W~2000Wのインバーターを使う人が多いと思うのですが、ウチの場合ですと電子レンジは700W出力で大体1300W使いますので、
      1300W÷12.8=101Aです。
      さらに、突入電流はその2~3倍と言われますが、一瞬なので、このBMSでは電子レンジ使えています。
      また、別な話ですがその突入電流に耐えるインバーターも必要となります。

      遅くなりすみませんでした!!

  2. 磐田 隆 より:

    コメントから質問をお許しください。素人の質問で申し訳ございませんが、教えて下さい。
    【BMSとlifepo4ナマセル4個をつないで12vのバッテリーを作成しましたが、外部から充電する場合、 例えば太陽発電した電気をコントローラーをかまして充電する場合、+-両極をバッテリーの+-につなげれば良いのでしょうか?それとも、BMSの途中にマイナス側を接続するのでしょうか?】宜しくお願い致します。

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名前 : 岡崎 慎一

5歳でトイラジに出会い、それ以来ブランクはあれどずっとラジコン好き。
とあるアーティストのMV撮影でDJI INSPIREでの撮影を目の当たりにしてドローン空撮を志す。現在はそのMV撮影時に飛ばしていた人に師事。

ドローンの他、登山とマラソンとロードバイクと天体撮影とラジコンと音楽とデリカスペースギアとPCとカレーが好き。 これら全部を活かして、旅をしながら稼げるバックパッカーとなり世界一周に憧れてます!
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