lifepo4 アルミシェル 280Ahが人気っぽい
最近、FBやブログやYoutube見てると、キャンカーへ車載するサブバッテリーの選択肢として、lifepo4(リン酸鉄リチウムイオン)のアルミシェルの200Ahやら280Ahが人気だなぁ。。と感じてます。
アルミシェルってのは、このように青いケースに入ったやつです。「シェル」は外装=ケースです。アルミケース(シェル)に入ったlifepo4です。
ウチのショップのリンクですみませんが。数セット在庫していますが結構出ています。ちなみにこの青いのはテープです。銀色のアルミケースにテープが貼ってます。
実は僕も昨年11月頃にハイエースのバンコンにアルミシェルの280Ahと180Wソーラー3枚をつけさせてもらったことがあります。
写真はこちら。
アルミシェルが人気な理由 大容量で小さく軽く安い
1枚目はそれまで載っていた鉛バッテリー100Ahとの比較のために並べたものです。ご覧の通り、280Ahでも大きさほぼ変わらない。プラスチックシェルに比べるととにかく小さいです。
重さは約5.3kgなので4Sで21kgくらいと軽い。鉛の100Aが23kgくらいなので、数値上の容量は2.8倍なのに軽い。lifepo4なので、実使用での容量差はもっと大きいです。それなのに、これまでの鉛と同じくらいのスペースに収まりそう。逆にスペースがあるなら、並列化によりコンパクトに大容量化する事も望めます。
そして、アルミシェルは総じてプラスチックシェルよりも安いんです。
かくして、この車も540Wソーラーと280Ah(3.58Kwh)バッテリー搭載。キャビン部のエアコン無しなので、とにかく電気が減らない。なにげにモンスターハイエースです。Youtubeに載せたら少しはバズるかな?軽キャン乗りの人も沢山いるよなぁ。。(笑)
バンコンや軽キャンなど、スペースに限りがある車の場合は、確かにこちらの方が良さそうです。大容量で小さく軽く安い。人気が出るのも頷けます。
アルミシェルは良い事ばかりなのか?
が、アルミシェルの懸念事項というか。プラスチックシェルと比較して、どこが良くてダメなのか?そんな事も考えてみたいと思います。主観です。訂正大歓迎。
サイズと重量は圧倒的にアルミシェルの勝ち
プラシェル400Ah vs アルミシェル280Ah比較
上に書いた通り、圧倒的に小さく軽いです。プラスチックシェルの現在の主流はおそらく400Ahじゃないか?と思いますが、アルミシェルの400Ahは今のところ見当たらないので直接比較できないものの、計算すると
1Ahあたり重量比較
プラの400Ahが約56kgなのに対し、アルミは280Ahで約21㎏。
1Ahあたりプラが0.14kg/アルミは0.075kg。約半分です。(ただし、容量=サイズが大きくなればケース重量も上がるので差はもう少し縮まります)
1Ahあたりサイズ比較
400Ah1セル 450mm×285mm×71mm=9.1L(リットル)÷400=1Ahあたり0.0227L(22.7ml)
280Ah1セル 174×202×74=2.6L÷280=1Ahあたり0.009L(9ml)
1ahあたりの大きさもプラシェルの40%ほどです。本当に小さいんですよね。
弱点は耐久性かな…?
そんな小さく軽いアルミシェルですが、耐久性はプラスチックシェルの方が高いと考えます。耐久性と言っても何の?て感じですが、絶縁性・耐腐食性・耐温度・耐膨張 これらにおいてプラシェルの方が優れているかと。何度もですが主観です。
だってアルミは導体、プラは非導体ですもんね。絶縁性はプラのが高い。腐食に対しても金属よりプラのが強いでしょう。断熱性もプラのが高い。厚みもあるし。金属の方が熱通しやすいわけで。
膨張については、ちょっと小噺があって。
以前取付をさせて頂いた車で、オ〇リースタイルさんで購入されたという200Ahのプラシェルlifepo4を6年使ったというオーナーさんにお会いしました。6年前からリチウムってすごい最先端ですよね(笑)写真はこちら。
見ての通り、かなり膨張しています。6年経ったらこんななるんだー。。?と興味深く拝見しました(笑)
しかもですよ。BMSも何もなく、鉛と同じように「ただ単に」4Sにしたバッテリーが接続されていたのには驚きました。走行充電器もニューエラのこれだったし。
全くdisる意味合いもなんでもはなく、6年前はスマートBMSはおろか、BMSについての知識なども機材も無かったのかなー?と。(機材はあったろうけど。。)
普段「リチウムにはBMS必須!」とか書いてるのがぶっ飛ぶような感じでした。「これでいいんだー?」と(笑)
で、膨張はしていたものの、とにかく6年持ってるわけだし、使用感はオーナーさんいわく「特に変わらない」感じだったそうです。電子レンジも家庭用エアコンも普通に使えていたと。ただ単に、そろそろ6年だし400Ahに容量アップしたいという事でのご依頼でした。しっかりアップしました↓(まだ途中の絵)
というわけで、プラシェルの耐久性においてはBMS無しで6年使ってこのくらいという好例になるかな?と思いご紹介しました。
誤解しないで頂きたいのは、「アルミシェルはこんなに持たないよ。弱いよ」と言っているわけではありません。「6年BMS無しで使ったプラシェル200Ahはこうだった」というだけです。あと物理的(化学的?)な事実としては、ケース素材としての耐久性は厚いプラシェルの方が上だと思います。
たぶん、現在アルミシェルを導入する方の中で、経年変化がどうなるか?をご存知の方は僕も含めていないのではないか?と思うので、5-6年使ったアルミシェルをお持ちの方がいたら見せて頂きたいですよね。情報お待ちしています!
中身ってどうなってる?
僕のYoutubeへのコメントで「腐食して液漏れしそう。。金属疲労の振動テストとかしてるのかな?」的なコメントを頂いたことがあります。
その方は、アルミケースに少しでも隙間があれば液漏れするのでは?と思われていたようですが、実際はシート状のがクルクルされて入っているようで、下にご紹介する動画をご覧になって「まさかの構造でおったまげました。これなら全然問題ない」という感想を持たれました。
百聞は一見にしかずだと思うので、いくつか動画をご紹介します。
なかなかバラす人もいないですが、
Youtubeでこのおっさんがバラしています。
プラスチックシェルの方はインド人がバラしてます(笑)↓
製造工程はこんな感じ。シートをくるくる↓
まとめ
いかがでしたでしょうか。少しは参考になってれば嬉しいです。
どっちがいいか?と聞かれれば、上にも書きましたが、耐久性はプラシェルが上と答えるかな。
が、だからといってアルミシェルが極端に弱いというわけではなく、「プラスチックシェルと比べれば」という話です。そしてアルミシェルは小さく軽く安いです。
一方、製造国である中国でもアルミシェルの方が伸びてる印象を受けます。サプライヤーが頻繁に勧めてきますし、プラシェルの扱いをやめるサプライヤーもいるようで。リチウム製造世界最大手のCATLがめっちゃ作ってます。
生セルなので、プラスチックケースに入れて自社製品の組みバッテリーとして売ったりする企業も沢山あるため、組みバッテリーのセルとして使うにはプラシェルよりもアルミシェル!ってのもあるのでしょう。要は汎用性が高い→数が出る→量産効果で更に安くなるって感じですね。50Ahとかホント安いですし。
僕自身は、半年以上前(2020年8月頃)からアルミシェルを使い始めたにも関わらずショップでは取り扱っていませんでした。まだ耐久性に疑問を持っていたからです。が、半年以上使って特に膨張などもなく普通に使えているので、最近は120Ahに加えて200Ahと280Ahもショップに並べています。
個人的には、スペースに余裕があって大容量を望むなら、プラスチックシェルを勧めます。上に書いた耐久性に加え、プラスチックシェルの方が大容量なセルもありますし。
アルミシェルで大容量化しようと思ったら、今のところは小さいセルを並列にしないといけないです。今後、400Ahとかそれ以上のアルミシェルも出るかもですが。
並列の是非については、このブログで以前から結構書いている通り、「循環電流」や、BMSが複数になる事があるなど、様々な理由から、例えば「搭載スペースが限られるけど出来る限り大容量化したい」とか、そういう時の「最後の手段」として考えた方が良いと思っています。大容量セルを4Sで使う方がシンプルで簡単=壊れないって考え方です。
この辺はオーナーさんの考え方次第ですね。なんてったって小さく軽く安いから(笑)
ただ、一応、両者の違いをお知らせして、少しでもセル選択の参考にして頂ければ嬉しいのでした。
ちょっと宣伝。ショップの発送について
当ショップ BLUE SKY CAMPER PROJECT で扱っているバッテリーについては、商品ページに「海外直送」と書いていますが、最近は海外からの直送ではなく、当方からの発送の方が殆どになりました。ソーラーパネルは大きくて殆ど在庫出来ないので直送が多いです。そろそろ、ソーラー以外は「海外直送」の文言を取ろうかとも考えてます。発送前に電圧チェック・BMSチェックなど行っています。初期不良など、何かあった時は出来る限り対応しますので、アルミシェルの方も是非検討してくださいね。
http://www.bluesky-camper.shop/
Alシェルのものは、noblandで廉価版で性能も若干劣るのではと考えてました。貴社販売品の200Ahの体積を比べると、アルミ:1879に対し、CALBの青:3618でCALBが1.5倍ですが、重さも3.8gと5.7kgで丁度1.5倍です。シェルをAlに変えるだけで軽量で1/1.5になるなら既に誰でも採用しているのかなと。ウチも若干の電池技術を扱ったことがありますが、電池の重量のほとんどは電極と思われ、Al版は電極が薄いとか、電解液が少ないとかで軽量化+安価にしているのでは?と感じます。Al版の充電電流が極端に低い0.2Cなのも、性能を落としているような気がします。実際どうなるかは、これから数年の使用実績でわかってきますかね。特に顕著な性能差が無ければウチも次は採用したいですね!
もちろん、Al版でも鉛に比べれば大幅な性能Upで、使用状況に応じて使い分けでしょうか?
しかし、Li電池の分解youtube良く見つけました,インド人もLi電池使ってるのでしょうか?電解液が酸性でないとはいえ、はだしにサンダルで分解作業ですか!
ps:貴社のPTFEフレキシソーラ、10年保証を取り扱っており流石です。ウチはPET表面なので、4年でボロボロになって、クリアスプレー吹いたりとかいろいろ苦労してます。
コメントありがとうございます。
僕もAlは廉価版だと思ってます。なんというか、記事に書いた通り耐久性とか放電能力とかその辺をトータルで言えば、デカくて重いですがプラシェルの方が余裕あるのかな。。?と。
先にプラシェルで組んだものとしては、アルミシェルの小型軽量&高コスパはうらやましいですよね(笑)
安いのは、組みバッテリー用途としてプラシェルより大量に作られているからだとも思うのですがどうでしょうか?
先日組ませてもらった280Ah2P4Sの方は、満充電13.65V設定での容量テストでしっかり90%行ったようです。セルバランスも無負荷時0.004V/600W程度で充電して、3.4V超えても終止0.04V程度で安定していました。
560Ahだと、0.2Cでも100Ah程度の充放電なら余裕で出来るわけで、必要十分なのではないかと思います。
ETFEソーラーは「一般に10年」と謳われていますし、扱っているところも10年!て言ってますが、リチウム同様実際のところはどうなのやら。
こんにちは。
今度Aliexpressで420Ahのアルミ生セルを購入しようと思うのですが、実際に容量が420Ahあるかどうか測定できるようなチェッカーってありますでしょうか?
もしくはBMSで○○Ahとか容量の確認はできますでしょうか?
教えていただけると幸いです。
あと420Ahの生セルが、280Ahや320Ahのセルとサイズも重量もほとんど変わらないのですが、それで容量が100Ah以上も変わるものなのでしょうか?感覚的にでもお教えいただけると嬉しいです。
よろしくお願いします。