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ソーラーパネルの効率についての考察

投稿日:2021年12月9日 更新日:

執筆:Toshi

こんにちは、Toshiです。共同執筆者として執筆することになりました。よろしくおねがいいたします。

本日はソーラーパネルについて書こうと思います。冬になると日照時間が短くなるからソーラーパネルの発電量が少なくなるというようなコメントを聞いたことがありますが、本当にそうでしょうか?季節、パネルの温度特性、パネルの向き、角度などにより発電効率がどの程度影響を受けるのか考察します。

太陽からのエネルギー

太陽からのエネルギーを電気に変えるソーラーパネルですが、そもそも太陽からどの程度のエネルギーが地球に届いているのでしょうか?

答えは1370W/㎡です。

これは1㎡あたりのエネルギーで、火力の強い電子レンジを稼働させることができるほどのエネルギーです。ただ、このエネルギーは地球の大気圏の外に届いているもので、実際に地表に届くエネルギーは大気で拡散されたり、反射したり、雲で吸収されたり遮られたりして平均的には50%程度と言われています。それでも700W/㎡ほどのエネルギーとなり地球全体では膨大なものになっています。このエネルギーを効率よく利用できればエネルギー問題は一挙に解決ですが実際には様々な障害があります。

ソーラーパネルの変換効率

ソーラーパネルで使用されているセルは高効率なもので22%程度。パネル全体としての効率は20%程度となります。ソーラーパネルの公称最大出力は表面温度25℃、AM 1.5(太陽光が真上から大気を通過する量1.5倍の大気を通過)、1000W/㎡の光エネルギーの場合の出力をあらわしています。セルの合計面積が1㎡で効率20%のソーラーパネルの場合、公証最大出力は200Wになります。逆に言うと、パネルの面積が分かれば面積×0.2(変換効率20%)でそのパネルの概ねの発電量がわかります。
試しに計算なさってみると面白いです。

ただし、公証最大出力は特殊な環境で測定されたものなので、200Wのソーラーパネルで200W出力することはありません。当方ではキャンピングカーへのリチウムイオン並びにソーラーパネルの取付けをお受けしていますが、その際にお客様へソーラーの発電量をお伝えする場合は最大パネル搭載量の70%。冬季は50%としてご案内しています。
1日の発電量としてはその4時間分でご案内しています。

例 100wパネルの場合、最大280wh/日

次の項から、どのような要素がどの程度発電量に影響するのか考察していきます。

日照時間と日射量

ソーラーパネルで発電される電力を検討するにあたり、太陽からどの程度光が届くのかが重要な要素となります。日本気象協会から提供されているデータに日照時間というものがありますが、日照時間によって発電量の検討が可能でしょうか?
日照時間の定義は一日のうちで120W/㎡以上の日射がある時間の合計です。
日照時間は120W/㎡以下の日射をカウントしないこと、120W/㎡以上は日射の強さにかかわらず時間でカウントされるため、日照時間は一日の光の量を計測したものではありません。よって、日照時間をもとに発電量を検討するのは適切ではありません。
ソーラーパネルでの発電量を検討する場合には日射量を利用します。日射量は太陽から地上に到達する光のエネルギー量を表しており、日本気象協会からは日本各地の日射量が全天日射量というデータで公開されています。

季節性要因

日射量は季節により変化し、太陽の高度が高い夏には多く、高度が低い冬には少なくなります。また。曇り、雨、雪などの影響により日射量は変化します。
東京における季節毎の太陽の高度は下記の通りで、太陽高度が高い夏至に近いほど多くの日射が期待できます。また、日の出から日の入りまでの時間は冬至よりも夏至のほうが5時間ほど長くなり、同様に夏至付近で多くの日射が期待できます。
春分の日(3/20)秋分の日(9/23):55度
夏至(6/21):78.4度
冬至(21/21):31.6度

夏至の時期は日本では梅雨の季節にあたるため、日射量が少なくなります。同様に雪の多い地方では雪の季節に日射量が少なくなることになります。
ソーラーパネルを南向きに傾けて設置することで、より多くの電力を発電できることになりますが、ここではキャンピングカーにソーラーパネルを設置する場合について考えるため水平面に設置することを前提に考察しています。(ソーラーパネルの設置向き、角度については次項以降で考察します。)
東京における月ごとの日射量のグラフによると冬至の時期に日射量が減少、夏至の時期は梅雨にあたるため日射量が少なくなっています。結果として梅雨の前5月の日射量が最大となります。
また、日射量が最小の12月と最大の5月を比較すると約2.2倍となり、発電量についても同様に2倍以上となることが期待されます。

パネルの温度特性

多くのソーラーパネルで利用されている単結晶ソーラーセルの発電効率は温度が25℃から1℃あがる毎に0.5%低下するといわれています。ソーラーパネルの表面温度は真夏には70℃ほどになる場合もあり、その際には10-20%も発電効率が下がることになります。
温度損失を考慮した日射量のグラフによると、気温が高い時期ほど損失が多くなり気温が低い時期では損失が少なくなりますが、それでも12月と5月では2倍以上の差があります。



パネルの向きと角度

「季節性要因」の項で考察した通り、太陽の高度は季節により変化します。ではどの程度の角度でどの方位向けにパネルを設置すれば、日射量を最大化できるのでしょうか?ここではソーラーパネルの向き、角度によりどの程度日射量が変化するか考察します。
まずは東京において南向きに設置したソーラーパネルの傾斜角度を変化させた場合、日射量がどのように変化するか見ていきます。各月の日射量を比較すると傾斜角度によって、夏と冬の時期の日射量が逆転していることが確認できます。夏場は緩やかな傾斜角度が、冬場は傾斜角度が大きいほうがより多くの発電量を期待できることがわかります。

次に傾斜角度を40度に固定してパネルの方位を変化させた場合の日射量を見ていきます。
  水色:南向き
  青色:南西または南東向き
  赤色:西または東向き
  きみどり色:北西または北東向き
  緑色:北向き
予想通り南向きが最大の日射量となります。5月~8月はパネル方位による日射量の違いはあまり大きくありませんが、秋冬春の時期はパネルの向きにより日射量が大きく変化します。つまり、ソーラーパネルを適切な角度に設置できるとしても、パネルの方位によって発電量が大きく変化することになります。


ソーラーパネルを真南に向きでできるだけ太陽の高度にあわせて傾けて設置することでより多くの日射を得ることができます。太陽の高度は季節により変化するため最適な傾斜角度も季節毎に変化します。東京における最適傾斜角度は6月の7度から12月の64度まで54度変化します。
ソーラーパネルの傾斜角度を月ごとに変化させながら設置することができれば、太陽の高度が低い月にも最大の日射量を得ることが期待できますが、屋根に設置する場合、必ずしも南側向きではなく毎月適切な角度に傾斜を変化させることはできません。



ここでは、年間を通して最大の日射量となる年間最適傾斜角で南向きに設置する場合を見てみます。
東京において南向きに年間最適傾斜角:37度で設置した場合(水色の線)、各月の日射量は水平面に設置した場合(灰色の線)と比べて大きく変化し、最大日射量の月は5月と並んで1月もほぼ最大日射量の月となります。最小の10月との差は1.4倍程度となり太陽の高度による影響を最小化することができるようになります。

まとめ

これまでの考察内容を要約します。

  • 太陽からは膨大なエネルギーが届いているが、ソーラーパネルで電気に変換できるのは20%程度である。
  • ソーラーパネルで発電できる電力を検討するにあたり、参考にすべき情報は日照時間ではなく日射量である。
  • キャンピングカーのようにソーラーパネルを水平面に設置する場合、日射量は季節、天候などの季節性要因により大きく変化する。東京における水平面への日射量は12月が最小となり、6月が最大となるが、その差は2.2倍となる。
  • ソーラーパネルの発電効率は25℃から1℃あがる毎に0.5%低下し、真夏には10-20%も発電効率が下がる。温度特性を考慮しても水平面へ設置した場合、12月と5月で2倍以上の日射量の違いがある。
  • ソーラーパネルの設置方位は南向きが最適。東/南東/南西/西向きでも5月~8月においては日射量が大きく減少することはないが、その他の季節では東向きまたは西向きの場合、もしくは北より向きでは日射量が大きく減少する。
  • ソーラーパネルの最適な傾斜角度は季節毎に大きく変化する(東京の場合:7度~64度)。年間最適傾斜角(東京の場合:37度)とすることで最大日射量の月(1月or 5月)と最小日射量の月(10月)の差は1.4倍程度となり、年を通しての発電量を最大化および均一化することができる。

引用

この文章で使用している日射量の情報は、「国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構」の日射量データベースを利用しています。
https://www.nedo.go.jp/

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名前 : 岡崎 慎一

5歳でトイラジに出会い、それ以来ブランクはあれどずっとラジコン好き。
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ドローンの他、登山とマラソンとロードバイクと天体撮影とラジコンと音楽とデリカスペースギアとPCとカレーが好き。 これら全部を活かして、旅をしながら稼げるバックパッカーとなり世界一周に憧れてます!
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