Parrot「ANAFI」発表!飛行時間25分/4KHDR/21MPカメラ/180度チルトジンバル こいつ。。すごいぞ!
Parrot社から新しいドローン「ANAFI」(あなふぃ)が発表されました!ここ数日、なにか出るぞ出るぞ。。?と言われてて気になってはいたんですが、今日、日本のネットメディア、ブログが一斉に取り上げています。ウチも書いてみるw
Parrot社って?Parrot社のこれまでのドローンの軌跡
フランスに本社を構えるハイテク企業。ドローンの他にもカーオーディオ、オーディオ機器、携帯のハンズフリー製品などを製造・販売してます。従業員数450名。
ドローンではA.R Droneを皮切りに、Mavicくらいの大きさで2K撮影可能なBebopシリーズや、室内用でレース等を楽しめるFPVミニドローンであるParrotManbo 、回転翼ではなく無尾翼機型で最長45分ものFPV飛行が楽しめる Parrot DISCO など、面白い製品を日本でも展開していましたが、いかんせん世界シェア7割を誇るDJIの牙城を崩すことが出来なかったというところだと思います。
昨年はドローン事業290名をリストラするなんてニュースもあったし、GoProカルマのようにドローン市場から撤退してた感もありました。
不振だった原因は、完全に個人的意見ですが「玩具路線なのか?本格空撮路線なのか?ハッキリしない」というのが原因だと僕は思ってます。あとプロモーション不足。
玩具路線では広がりが無い&ビデオゲームなどにも押され、「外で飛ばすおもちゃのドローン」では大した収益は上がらないと思うし、もっと小さくて安い中国製のドローンが沢山あるし。かたや本格空撮ドローンのフラッグシップモデルはBebop2でしたが、撮影できるのは2Kまでだし、同じくらいの大きさで折り畳めるわ4K撮れるわのMavicPro(当時はMavicAirは無かった)と比較しても、「本格空撮機」として比較した時のBebop2の「おもちゃ感」は否めませんでした。
かたやDJIはインスパ、Phantom、MavicPro、SPRAKと、オモチャと本格空撮の路線をキッチリと段階的に分け、空撮機だけじゃなく地上で使うジンバルスタビライザーまでも複数ラインナップし、カジュアル利用から業務使用まで全てのユーザーを取り込みました。更にプロモーションにも余念がなく、WRCの公式空撮を担当してそのめちゃカッコいい映像でプロモーションするなど。。誰がどう見ても、DJIを選んでしまう状況になっておりました。。
そこにきて、今回発表された「ANAFI」Parrot社にとって、起死回生の一機となるか? 見ていきたいと思います。
Parrot「ANAFI」日本での価格は?いつ出荷?
現在、AmazonでParrotが81630円で予約を受け付けています。出荷日は本日(6月8日)現在、日本での出荷は「7月16日」となっています。
EUでの公式出荷は7月2日のようです。
Parrot「ANAFI」では肝心の性能はいかに?
こいつ。。スペックだけ見るとなかなかに良さげ!です。
詳細はParrotのHPでも確認できます。
第一印象は、
カーボン多用で軽量320g/USB充電/飛行時間25分/4KHDR撮影可能!/Sony製CMOS採用21MPカメラ!/完全に上向ける180度チルトジンバル!/2.8倍ロスレスデジタルズーム/耐風性16.6m/s(時速)ほぼ全てにおいてMavicシリーズよりも上なドローン
サイズ的にはちょうどMavicProとMavicAirの中間を突いてきた感があります。しかし、ANAFIの方が軽く、畳んだ形が細くコンパクトなので、直接のライバルはMavicAirじゃないかなぁ?と感じます。
ついこないだMavicAirを買った僕は涙目ですw 本当に涙目か?MavicAirの方が優れてるとこもあるのではないか?
手っ取り早く、比較表にしました。
Parrot ANAFI VS DJI Mavic シリーズ比較表
Parrot ANAFI | MavicAir | MavicPro Platinum | |
---|---|---|---|
価格 | 81630円(Amazon) | 104,000円(単品) | 144,800円(単品) |
サイズ たたんだ状態 | 244x67x65mm | 168×83×49 mm | 83 x 83 x 198mm |
サイズ たたんでない状態 | 175x240x65mm | 168×184×64 mm | 記載なし |
対角寸法 | 記載なし | 213mm | 335mm |
離陸重量 | 320g | 430g | 734g |
センサーサイズ・有効画素 | 1/2.4インチ Sony製CMOS 有効画素数21MP |
1/2.3インチCMOS 有効画素数:12 MP |
1/2.3インチ CMOS 有効画素数:12MP |
ズーム機能 | ロスレス最大2.8倍(FHD)ズーム UHDの場合、1.4倍 |
デジタルズーム | デジタルズーム |
焦点距離 | 23-69mm (photo), 26-78mm (video) F2.4固定 |
24mm(35mm判換算:) f/2.8固定 | 26mm(35mm判換算) f/2.2固定 |
視野角 | 84° | 85° | 78.8° |
ジンバル方式 | 3軸電子式&2軸(ロール&チルト)機械式のハイブリッド | 3軸 機械式 | 3軸 機械式 |
ジンバル可動範囲(ピッチ) | -90°〜+90° | -100°~+22° | -90°〜+30° |
シャッター(3機種とも電子シャッター) | 1~1/10000秒 | 8~1/8000秒 | 8 秒~1/8000 秒 |
ISO | 100~3200 | 100~3200 | 100~3200 |
動画解像度 | 4K Cinema 4096×2160 24fps 4K UHD 3840×2160 24/25/30fps FHD 1920×1080 24/25/30/48/50/60fps |
4K Ultra HD:3840×2160 24/25/30p 2.7K:2720×1530 24/25/30/48/50/60p FHD:1920×1080 24/25/30/48/50/60/120p HD:1280×720 24/25/30/48/50/60/120p |
DCI4K: 4096×2160 24p UHD4K : 3840×2160 24/25/30p 2.7K: 2720×1530 24/25/30p FHD: 1920×1080 24/25/30/48/50/60/96p HD: 1280×720 24/25/30/48/50/60/120 |
動画最大ビットレート | 100Mbps | 100Mbps | 60Mbps |
動画 フォーマット | MP4 | MP4/MOV | MP4/MOV |
動画撮影機能 | DJIのクイックショット的な 「CineShots」と「SmartDronies」という機能あり。 他、スローモーションやハイパーラプス機能有り。 |
クイックショット | クイックショット |
静止画 最大解像度 | 5344×4016 (4:3 /21MP ) 水平視野 84° |
4:3、4056×3040 16:9、4056×2280 (12MP) |
4000 x 3000 (12MP) |
最高速度 | 55km/h | 68.4km/h (ただし機体傾斜が一定を超えるとジンバルがチルト方向に下向くしょうもない仕様) |
64.8km/h |
最大上昇速度 | 4m/s | 4m/s | 5m/s |
最大運用高度 | 4500m | 5000m | 5000m |
耐風性 | 50km/h (13.8m/s) ※カタログでは16.6m/sと記載。矛盾。 |
38km/h (10.5m/s) | 記載なし |
GPSモード | GPS & GLONASS | GPS & GLONASS | GPS & GLONASS |
衝突回避センサー | 無 | 前方、後方、下方 | 前方・下方 |
飛行時間 | 25分 | 21分 | 30分 |
バッテリー容量/電圧/種類 | 2700mA/7.6V/リポ2セル | 2375 mAh /11.55V/リポ3セル | 3,830mAh /11.4V/リポ3セル |
充電 | USB-C から充電 | 専用充電器 | 専用充電器 |
電波到達距離(2.4GHz) | 4km (2.4GHzで4kmか?は未確認) | 2km | 4km |
受信解像度 | 720p / 30fps | 720p / 30fps | 1080p / 30fps |
サポート | パロット・サービスセンター 電話 0120-208-610 受付時間:月曜~金曜 10時から18時まで (土日祝日、お盆期間、年末年始を除く) |
DJIアフターサービスセンターあり | DJIアフターサービスセンターあり |
Parrot ANAFI スペック比較まとめ
とりあえず、まとめてみました。どうでしょうか?
Parrot ANAFI セット内容
- ANAFI 本体 with スマートバッテリー
- Parrot Skycontroller 3
- キャリーケース
- 16 GB Micro-SD カード
- USB-A – USB-C ケーブル
- プロペラ 8枚(2組)
- プロペラ取り付けツール (えー?ツールがいるのー?めんどくさくないか?)
衝突検知センサーは、無い
気になるけど未確認です。本当に無いのだろうか?スペックには載っていなかった。 無いです。US Amazonで確認。個人的には無くても大した問題じゃないですけど、万人向けとしてはちょっとマイナスポイントかもしれないですね。
画像認識によって障害物を検知する的な事もしないのだろうか?それはそれで硬派だな(笑)
カメラ性能は3機種中トップでしょ
スペックだけ見ればカメラ機能は文句なく3つの中ではトップレベルだと思います。ワンランク上のセンサーってかんじ。
センサーサイズこそ1インチセンサーを積んだPhantom4Proには敵いませんが、画素数ではP4Pにも勝っている(だからといって高画質というわけではない)
その有効画素数の多いセンサーを利用して、ズーム機能を入れてきたのも好感持てます。これまでより被写体に近づく必要がないですからね。安全。4Kを表現するには最低830万画素あれば良いわけで、それに対して2100万画素のセンサーを積んでる事を生かしてのズームになるわけですが、画素1素子あたりののS/N比が下がるのでズームした場合は「2100万画素のセンサーをフルに使った場合よりも、画素数の少ないセンサーで撮った4K」に相当することになります。まぁブレ補正のマージンも必要だろうし、もともとフルには使ってないはず。見た目にはわからない。フルで使うのは5344×4016で21MPの静止画撮る時だけでしょ。
なので、厳密には同じセンサーで光学ズームするのには及ばないはずです。でも、重量に制限がある中でこの機能を持ってくるとか偉い!と思いました。
3軸電子&2軸機械のハイブリッドなジンバル
ジンバルは3軸電子式&ロールとチルトの2軸は機械式。電子ブレ補正と機械式ジンバルのハイブリッドで揺れの無い安定した映像を記録できるものと思われます。ヨー軸の補正は電子式ですが、これもセンサーの有効画素数に余裕があるからこそなせる芸当だと思います。絶対、センサーにブレ補正用のマージンエリアを設けていると推測。
そして、真上を向くジンバルが最大の特徴と言っていいと思います。
しかも前のペラがカメラに被らないようにだいぶ後ろ寄りのあるので、上向けてもペラの映り込みはなさそう。
これならMavicAirの「スポーツモードで全開にした時に、機体傾斜角が大きすぎて映像が勝手に傾いたり下を向いたりの欠陥的な挙動」もなさそう。
ANAFIのスポーツモード最高速55km/hで、動く被写体を快適に追いかけられると期待!
真上を向くジンバルによって新しい表現も出来るでしょうし、設備の点検などでも威力を発揮するのではないかと。ライト付けよう。ライト。明るいの。LEDの。きっとサードパーティから出そうだなw
記録はSDカード
あと、気になるのは記録容量です。海外のParrotのスペックページを見ても記載有りませんでした。調べて判明したら加筆します。
記憶媒体はマイクロSDカード。バッテリーを外したところにSDスロットがあります。セットには16GBが1枚付属。もっと大きい容量のカードにも対応するでしょう。 最大128BGまで対応。ビットレート100Mbpsということで、「U3」のmicroSDカード 必須です。
周波数は選択可能
2.4GHzと5.8GHzをマニュアルで選択できるようです。日本仕様がどうなのか?そもそも「日本仕様」があるのか?未確認。
日本では2.4GHzで運用しましょう。5.8GHz帯はアマ4級取得で無線局開局すれば使用出来る的な感じですかね。ただし法律上は「アマチュア無線」なので「業務使用は不可」です。
バッテリー 7.6V/2700mA/20.52Wh
バッテリーは7.6V 2700mAで20.52Wh。最大充電電圧8.7V/最大充電電流3A。てことは最大電流で充電すると、50分程度で満充電かな。
公式では2Ah充電で約90分~180分と答えています。どんだけ幅あんねん。2Ahてのは一般的なUSB充電器の出力がそうなので2Ahの想定なんだと勝手に推測します。
USB5V×2Ah=1時間で10Wh 計算上2時間以上かかるけど、完全放電状態からではない。残り25%からとして、計算上90分って所でしょうか。
バッテリーの発売日と価格は「7月2日の公式リリースまでには発表する」と言って譲らない様子w 99ドルって書いてる所もどこかで見ましたが実際はどうなんでしょうかね。まぁ1万円くらいみておけばいいでしょう。
質感
これ、大事ですよね。「所有する喜び」というかね。いくら性能良くても機能美というか。。質感高くないとダメなんですよ。例えばPCにしても、ハードの性能だけで言えば絶対にWinで自作する方が性能良いのに、PCの価値を見た目のカッコよさで計って買うApple信者っていっぱいいるでしょ?(僕も携帯はiPhone、タブレットはiPadmini4ですよw)
Parrotの機体って、個人的にはどうしても「おもちゃ感」があるのが否めないという感じでしたが、今回はYoutubeのハンズオン動画を見る限り、かなりいい感じなのではないかと。だって機体にはカーボン繊維&ガラスマイクロビーズ入りだもの。それなりの質感出してくんないといやだ(笑)
あと、特筆すべきはペラがDJIのよりも短い&薄い感じ。そのせいか?実際に見ていないけど、動画を見る限り飛行音がとても静かに見てとれます。上のハンズオン動画から確認してみてください。
というわけで、実物見たこともないくせに好き勝手書いてますが、衝突防止センサー無し(?)な事に目をつぶれば、スペックを総合的に見てMavicAirよりもANAFIの方が勝ってるな。これは。
あとはバッテリーなどのパーツ供給とサポート体制ですかねぇ。てか、なぜにDJIのようにバッテリー等もセットにした「コンボ」を出さないのか?頑張れよ~。。 世界シェア7割を誇るDJIの一強支配体制ってのは良くないです。Parrotさん頑張れー!
耐風性を活かして山に持っていきたいのでモニターで貸してくれませんか(笑)