キャンピングカーのリチウムイオンバッテリーが0%になった
前回の続きです。前回の記事を読んでいないと「何だこりゃ?」となると思うので、読んでいただくのをお勧めします。
トイレのポンプを作動させたことがとどめとなり、「放電停止電圧」に設定していた2.9Vを割ったことでバッテリーが落ちたlifepo4サブバッテリー。
それまで「ウソ表示で39%」だった数値は2.9Vを割って落ちたとたんに「0%」の表示になりました。
↓ご覧の通り。
前の記事でも書きましたが、「残量39%」は嘘の数値です。実際は20%台だったはずです。ややこしくてすみません。読んでね。
が、とりあえず「0%」の表示になったので、
よーし、じゃあそこから充電してみよう!
というのが今回の記事内容です。
スマートBMSで充電量を把握できますので、モニターしてやろうってことです。
充電テストの予想
これを書いてる時点でまだ満充電にはなっていませんので「予想」です。
僕は今回組んだリチウムイオンバッテリーを長持ちさせるため「いまのところ」は90%と30%の間で使いたいと考えています。使える容量は400Ahの60%=240Ahですね。
※ちなみに、「住む」とかで毎日使うのであれば上限は100%近くでもいいと思うけどね。100%とか満タン近くでの長期保管が痛めます。
そのために、スマートBMSの設定をこれも「テスト用の暫定値」ですが、
- セル電圧上限(充電カット電圧):3.41V
- バッテリー全体の電圧上限(充電カット電圧):13.6V
- セル電圧下限(放電カット電圧):2.9V
- バッテリー全体の電圧下限(放電カット電圧)10.5V
にしていました。今回、セル電圧下限の2.9Vを割って「BMSの見た目上0%」になりましたが、まだ完全に0%ではないはずです。CALBのセルの放電カット電圧は2.5Vです。感覚的な話で申し訳ないですが、残20%くらいと仮定します。実際はもう少しあるかもですが、とりあえず20%とします。
そこから90%まで。70%分。280Ahくらい充電できれば御の字です。
しかし、おそらく。。。前回の満充電(まだ満充電回数1回なもんでw)の際、充電中は4番のセルが電圧高くなる傾向にありました。
今回もそうなる予感です。1つのセルが3.41Vに達した途端、スマートBMSは「はい。満充電。100%ね~」って事にして表示を100%に切り替え、充電を止めちゃう。
1つのセルのせいで全体の充電が止まる。まるで日本社会の「出る杭は打つ」的な。連帯責任かのような設定なので、280Ah充電される前に充電終了になる気もします。
これを防ぐため、
セル電圧の上限値は、バッテリー全体の電圧上限値(暫定値13.6V)÷セル数(4セルなので3.4V) よりも、セルにダメージ与えない範囲内で若干高めにして、バッテリー全体の電圧上限値である13.6Vを「100%」としてBMSに認識させたほうが良い。
とも考えられます。具体的にはセルは3.45Vくらいかな?なんせ、書き換えるたびに残量表示が変わるので気軽に変更できないもんで。
このテストが終わったら試してみます。
充電方法は4通り。走行充電・ソーラー・外部充電・発電機
ウチのバーストナーのサブバッテリー充電方法はこの4通りあります。
「0%」になったのは夜明け前でした。とりあえず寝て、起きたらソーラーによっていくぶん復活しておりました。
まずソーラー充電で復活
こんな感じ。
9時↓
この時点では、まだセル電圧のバラつきがひどいです。放電末期の症状。これを見ると、残量は10%台だったのでは?とも思えてくる。
12時↓
やっぱり太陽が高い12時ころはソーラーが良い仕事してますね。100Wパネルで6Ah以上。80W。偉い。
そして、セル電圧が揃った。
その後、外部充電
家の隣のコイン駐車場に移動して、家から延長コードを引っ張って外部充電しました。
が、この日の夜は外出自粛の中、キャンカーごと友人を訪ねてキャンカーで飲もう!となっていたので、外部は途中で切り上げて走行充電に。外部充電にした時の写真こちら。
この写真のオレンジの袋の横にある白いボックスがスライダック(変圧器)。。。の、はずです(笑)
日本の100Vをヨーロッパ仕様の機械に使うために220Vに昇圧してる。ちなみに発電機も220V出力。
Dometicのルーフエアコンなどは220V駆動なのでそれ用です。
で、それを再度、後付けの変圧器で100Vに降圧して室内の100Vコンセントおよび、サブバッテリー庫のコンセントに通電し、それにつながったPOWERTITEの充電器がサブバッテリーを充電します。効率わる!(笑) でも、出来るだけ手をかけずに日本仕様に合わせるためにはそうなりますわな。
最近はノートPCもiPhoneの充電器もなんもかんも。実はACアダプターは220Vまで対応してるので、キャンカーにおいてはインバーターも230V仕様のにに変えちゃった方が良いんじゃねぇか。。?とも思っています(笑)
↑走行充電器の様子。RENOGYの4つのインジケーターが光ってます。
インジケーターは左からオルタネーター充電、ソーラー発電、サブバッテリー電圧良好(緑)、バッテリーの種類(青はlifepo4)です。
オルタネーターの充電ランプが光っているのは、発電機と外部電源用の充電出力はオルタネーター端子に接続しているためです。エンジンは停止中です。
残量表示撮るの忘れてしまった。。。友人宅に出発するまでに130Ahくらいまでは充電できていました。残量にして30%くらいまで。
で、友人と飲み。キャンカーでウーバー取りました(笑) 25%くらいまで下がったと思います。
翌日、友人宅近くのPから走行充電しながら帰宅するも、ウチの隣のコインPが空いていないので充電出来ず。
昼間はソーラーにより地味~。。に残量が増えます。1日5%くらいかな。
外部充電を再開
同日21時頃、隣のコイン駐車場が空いたので外部充電再開。1時間後ですが…スクショこちら。
22時
22時の時点で137Ahで、目標値である280Ahまで残り143Ah。ずーっと250W/18.6Ahくらいで充電されています。
満充電近くになるほど電流値は落ちてくるでしょうが、単純計算だと8時間程度で280Ahに達しますね。朝6時かよw モニターできるかな(笑)
それまでに一番心配な「4番のセル」またはほかのセルが3.41Vまで達しなければいいのだが。。って感じです。逆にセル電圧が3.41Vに達せず、それ以上充電できるようなら、最初の残量が少なかった。過放電させてごめんなさいってことです。
24時(0時)
2時間後。
変化なし。とはいえ、2時間分。36Ah=9%増えている。ものすごく計算通り。
4番セルの電圧が2時間前よりも落ちた。いいぞいいぞ。
2時
2時間分。36Ah=9%増。計算通り。
4番のセル電圧が上がってきた。目標まであと70Ah。4時間。いけるか?
あと温度も上がってきた。これはバッテリー温度というよりも100V→200Vのスライダックが熱を発しているからかも。
4時
2時間分。32Ah。ちょっと減ったか? %表示的には9%増。4番のセルがまもなく設定値の3.41になる。
そして、数分後。変わった。
充電電流が下がった。それに伴いセル電圧も下がってる。何があったのだろう?
一度、充電のコンセントを抜いて、また挿してみたが、数分経つとまた電流が下がる。
表示を見ると、セルのオーバーボルテージが3回付いている。という事は3.41Vには達したという事か。
しかし100%の表示には切り替わっていない。。ということは、
どうやら、セル電圧が上限に達しても残量100%には切り替わらないようです。バッテリー全体の電圧上限=100%らしい。
テストしてよかった。色々判明する(笑)
うーん。とりあえず、3.41Vに達したんだろうから。いったん区切るとする。
テスト結果:現在のBMS設定での充電量は240Ah でした。予想通り早く終わった。が、ちょっと少ないな。
ということで、
BMSの設定値を変更して再トライ
いよいよ、BMSの設定値を変えてやってみます。今度の設定値はコレ。
【変更点】
- セル上限電圧を0.04V高め、3.41V→3.45vに。
- バッテリー上限電圧はそのまま13.6V。この数値がバッテリーの充電上限の%値を決定すると言っていいでしょう。90%程度(360Ah)を狙ってます。
- 判定秒数を60秒にした。
- 使用温度をカタログスペック通りに変更
これによって、バッテリー上限電圧=100%(実際は90%)とする狙い。書き換えると、残量表示が電圧ベースの表示に変わってしまう。が、変更!
そして、充電のコンセントを一度抜いてまた挿した。
変更直後の数値↓
充電出力がこれまでの250Wに戻った。
残量値は76%に。残Ah数も240Ah→304Ahに変わった。これまでの充電数値から64Ah増えた。
ということは、まず残量を算出する基準となるBMSの設定値に基づいて残量の%を出し、それから残りAh数を算出するというアルゴリズムなのかな?多分。
まぁ、冒頭で残20%と仮定したが、20%=80Ahでそこから充電量240Ah=320Ahとすると、割と近い数値なのかも。
スクショの時刻は4:14だが、それから30分経っても250W程度の出力が続いている。
この通り↓
さっきの落ち込みはなんだったのだろう??やはりセルが3.41Vに達したことでBMSが一回充電止めたんだろうな。
POWER TITEの充電器がなにやら吸収充電とかそんな感じで電流絞ったのかな?とも思ったが、それならBMS書き換え後も数分で絞るはずだし。今回はそれがない。
このまま、バッテリー電圧が13.6Vに達したところで残量が100%&400Ahに切り替わり、充電ストップになると思われる。
その直前の数値-64Ah(さっき増えた数値)が実際に充電した数値になる。これが当初目標の280Ah以上になっていればOK。
逆に言うと280+64で、現在の数値が344Ah以上までいけばOK。
6時
充電出力は変わらず250W程度を保っています。
変更直後の76%→84%。8%増加。1%足りないのは、前回のBMS書き換えがAM4:14だったから。まだ2時間経ってない。
344Ah(=実際の充電量は280Ah)までもう少しです。結構計算通りくらいで終わるんじゃないかな?
テスト終了!AM7:11
ごめんなさい。瞬間、見逃しました(笑)だってずっと見てないといけないんだものーw
バッテリー電圧が13.6Vに達し、表示が100%、400Ahに切り替わり、充電がオフになりました。
Battery Overvoltage Protection となっていますね。スマートBMS、ちゃんと仕事してます。よしよし。
そして、充電が止まればセル電圧のズレは僅か9mv(1000分の9V)。
本当は、この直前の充電量が知りたかったんですが、このスクショの前に撮ったのは約20分前のAM6:48 でした。
こちら↓
352Ahとなってます。ここから、7:11までのどこで13.6Vに達したか?は定かではないですが、充電電流18Ahで約20分なので、増えたのは最大でも6Ahです。358Ahね。そうすると、テスト結果は以下の通り。
まとめ。第1回 lifepo4充電テスト結果
充電量:バッテリー上限電圧13.6Vの設定で、358Ah-64Ah(BMS書き換えた時に増えた分)=294Ah(400Ahに対して73.5%分)でした。
前回も充電上限電圧は13.6Vでしたので、ほぼ同じ残容量。具体的には90%程度だと推測します。
ということは、やはり深放電した時の残容量は20%以下だったのかもしれない。15%とか。
ちなみにこの「実際の充電量」を増やすには、バッテリー上限電圧の設定値を上げればいいわけです。13.8Vとか。14Vとか。
でも、設定電圧上げて本当の満充電近くまでもってくのはいいけど、そのままで長期保管するとlifepo4バッテリー痛めますよってこと。なので、毎日ガンガン使うなら上げるのはアリ。
今回の充電テストの意義は「ある充電上限電圧の設定で、バッテリーが落ちるくらいの深放電からの充電量をモニターして把握すること」です。
テスト前の本当の残容量が分からない限り正確な数値は言えませんが、今回は少なくとも
「バッテリー上限電圧13.6Vの設定で73.5%分、約300Ahの充電が出来た」
ってことです。
まぁ、僕は最初に書いた通り、今のところは90%~30%の間での運用を考えているので、いまの設定値でも400Ahの6割。240Ahは安心して使う事ができるでしょう。
しつこいですが、バッテリー上限電圧に達した時点で表示が100%に切り替わるこのBMSの表示だと残40%までですね。
そこからさらに10%。使用量280Ah。残表示30%までは何とかいける。
残量が400Ah-290Ah=110Ah 以下になったら危険ゾーンです。100%からの表示で残28%。おそらく、そこから5Ah程度の使用で。27%とか26%くらいで前回同様に落ちると思います。実際は完全な満充電にはしておらず、10%程度低いはずなので、この時の実残量は17%とか16%で過放電に近いかと。
使える容量をもう少し増やしたいなら、バッテリーの上限電圧を上げる事になります。
しばらく使ってみて残量に不満を感じたら、バッテリーの上限電圧を13.7とか13.8とか、段階的に上げて試してみたいと思います。
いかがでしたでしょうか。スマートBMS、なかなか便利です。
でも実は、こんなマニアックな事あまり考えなくてもいいボトロニックのメーターの方がいいのかな?とも思うのでしたww