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Phantom4Pro 現場でのバッテリー充電の話 その2

投稿日:2017年4月16日 更新日:

車で充電する場合はDC-ACインバーターが必要

さてこちらの続きです。

現場で家庭用電源が無い場合は以下の2通りしかありません。

  • 車のバッテリーから充電する
  • 発電機を使う

家庭用100Vを使用する充電器を車で使用する場合には、車のバッテリー直流(DC) 12Vを交流(AC)100Vに変換するインバーターが必要になります。

インバーターには、家庭用電源と同じ交流波形である「正弦波」を出せるタイプと、「矩形波」(疑似正弦波とも書かれる)を出すタイプがあります。

正弦波のものは矩形波タイプに比べると価格が高いです。

矩形波タイプは安いですが、高度な電子機器の使用には不向きと言われており、インテリジェントバッテリーの充電には正弦波のものをお勧めします。

3本同時充電するのに必要なインバーター出力は?

概ね、バッテリー1本あたり100W必要と考えましょう。

DJI純正の充電器が定格出力100Wとなっていて、満充電まで1時間10分と謳っています。

充電電流は17.4Vなので、充電電流は

100W÷17.4V=5.74Ahとなり、容量5870mAh(5.87Ah)のバッテリーを充電するのに、1時間ちょっとというのが計算でわかります。

というわけで、3本同時なら単純計算で300W必要になりますが、実際には12V→インバーターで100V→充電器で17.4Vに変換する中でのロスがあるので、最低でも定格出力400W以上のものは欲しいところです。

筆者はあまり深く考えずに定格出力300Wのものを買ってしまい失敗しました。

定格300W/最大600Wだったからか?何とか、ギリギリで3本充電は出来てます。だましだまし使ってます(´;ω;`)

また、インバーターへの給電についてですが、概ね出力150W以上のインバーターはシガーライターからの給電は望めません。

車によると思いますが、多くの車のシガーライターのヒューズは10Aから15Aとなっています。

10Aの場合、12V×10A=120Wまで、15Aなら180Wまでですので、400Wを使うためにはシガーライターからの容量では足りず、別途バッテリーから配線を車内に引き込む事が前提となります。

定格400W以上で安くてお勧めの正弦波インバーター

大橋産業(BAL) 3WAY正弦波インバーター 400W No1787


多分、出力的にも価格的にもこれが一番丁度いいと思います。そして、同クラスで同じような金額の物は探しても見つかりませんでした。

事実上、これ一択。

1000Wとか高出力なものは筐体も大きくなり、また、バッテリーからの配線部材もより太いものが必要になってコストが嵩みます。

大は小を兼ねるので、更に多くの電気製品を使いたい場合は高出力なものも良いですね。高いけど。

 

純正弦波インバーター300W

ちなみに筆者が買ってしまったインバーターはこちら。安さに惹かれてしまいました…

何とか3本同時充電出来てるっぽいので、一応今も使ってます。

 

エンジンルームからのバッ直電源の引き込み

バッ直引き込み

上にも書いた通り、概ね150W以上のインバーターはシガーライターからの給電は望めないため、バッテリーから直の電源ラインを車内に引き込む必要が出てきます。

俗に「バッ直」といいます。

エンジンと車内の間には壁があるわけで、この壁のどこかから通さないといけません。

やり方は「バッ直 引き込み」で検索すると出てきますが、大体やってる事は同じです。

  1. 配線するケーブルを用意する
  2. 伸ばした針金ハンガーなどにケーブルをビニテなどで固定
  3. エンジンルームを覗き、既にケーブルが通っているゴムブッシュを探す。作業的に、助手席側から通すのがベスト。
  4. そのゴムブッシュにハンガーをぶっ挿して、助手席側から先を捕まえて通す。
  5. 必要なら、防水の為にシリコン系の充填剤でケーブルを通した穴の隙間を埋める

です。書くと簡単ですが、とても面倒くさい作業です…

工賃はかかりますが、オートバックスなどでもやってくれるのかなぁ?検索してもバッ直のみの工賃は出ないです。

要問合せという事なんだと思います。

必要なケーブル太さ

400Wを使うために必要なケーブル太さについて考えます。

あまり細いケーブルを使うと、電流が流れにくくなる=抵抗になる=熱を持つ=最悪、火災 になりますので、慎重に選びましょう。

電流は、定格出力400Wの時に、

400 W÷12V=33A となります。

瞬間最大出力800Wなら66A。

電圧が低いので、結構な電流が流れるんですよね。

 

基本的に、ケーブルは太い方が大きな電流を流せます。

ケーブルの太さは 断面積を表すsq (スケア。「スケ」と略される)という単位で表されます。

オートバックス等で売っているケーブルは下の写真の「エーモン」製が多いですが、太いものでも2sqで、12Vで200W以下となっており、使えません。

なので、それより太いケーブルを求め秋葉原に行ってきました。

行ったのはアキバの駅にほど近い九州電気さん

買ったのはKIVと呼ばれる種類のケーブル、太さ8sq 赤・黒をそれぞれ6mです。

圧着端子なども含めて3000円くらいだったと思います。

KIVケーブルは一般的な「電気機器配線用のビニル絶縁電線」の事です。

 

こちらのサイトによると、KIVの8sqの許容電流は61Aとあります。

瞬間最大出力は、モーターなどを使った機器が最初に起動する時の電力で使われるものなので、充電用途では考える事もなく、通常300W強、たとえ400Wでも、61A流せれば充分余裕があります。

また、買った時に気づいたのですが、これだけの太さのケーブルとなると、バッテリーやインバーターに取り付けるための「圧着端子」も大きくなり、大きな端子を取り付けるための工具「圧着ペンチ」も大きなものが必要になります。

筆者はこれを持っておらず、どうしようかと思っていたら、九州電気さんが貸してくれるとのこと(感謝!)

なので、アキバの九州電気さんの前に路駐して、ケーブルの引き込み→圧着端子取り付けまでを行いました(笑)

↓店の真ん前で…

↓プラスが赤、マイナスが黒。2本のケーブルを引き込みました。

駐車ではありません。すぐに発車できますから(笑)

九州電気さん、ありがとうございます♪

ちなみに、こちらのネットショップでは様々は太さのケーブルがm単位で切り売りしており、さらに圧着端子を付けた状態で送ってくれます。

遠方の方はこちらを利用されるのが便利なのではないかと。

でも端子が付いた状態では引き込めないかも…?

大事な事!

とても大事なことです。バッ直電源を引き込む際は、必ずバッテリーの近くにヒューズを入れましょう。

過電流から、配線と機器を守る=最悪の事故「火災」を防ぐ大事なパーツです。筆者は50Aのヒューズを入れました。

筆者のものではないですが、こういうの↓

zmart AGUヒューズホルダー 4ゲージ AWG GA 60Aヒューズ付き

キーとの連動…どうするよ?(´・ω・`) めんどくさいので無しw

バッ直引き込みに関して、最後です。

これはやってもやらなくても良いと思いますが… キーとの連動についてです。

車の電装品(カーオーディオとか)は、エンジンをかける or キーをACC(アクセサリー)の位置にすると、電気が流れ、スイッチを入れなくても起動しますよね。

あれを、インバーターでやるかどうか?です。あれの仕組みは、車には、常時電気が流れている配線ラインと、キーをACC(アクセサリー)にしたときに電気が流れる配線ラインがあり、後者を「ACC電源」と呼んでいます。

電装品には常時電源のラインとは別に、ACC電源を入力するラインがあり、そのACCラインに通電すると、電装品内部の電源スイッチが入り、起動する仕組みになっています。

インバーターをACC電源と連動させるには、カーオーディオの裏側の配線などからACC電源のラインを分岐して、バッテリーとインバーターの間に「リレースイッチ」を新設する必要があります。

リレースイッチの仕組みはこちら

リレーとは「少ない電流で、大きな電流を動かすためのスイッチを入れる機械(スイッチ)」ですね。

瞬間800W、66Aの電流に対応するリレーとなると、オートバックス等で売られているものとは違い、かなり大型、大容量なものが必要になります。

こういうの。

Hella3059リレー 12V 50A 4Pin

これは50Aですが、まぁ、通常の充電用途には十分だと思われます。

筆者は

リレーを付けるために、太いケーブルに端子を付ける工具が無い&オーディオの裏からACCの線を分岐させるのが面倒(´・ω・`) 

という理由から、キーとの連動は見送りました。

要は「面倒くさかった」ですw

バッテリー関連 次の記事では、サブバッテリーの設置と、発電機について書きまーす

 

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名前 : 岡崎 慎一

5歳でトイラジに出会い、それ以来ブランクはあれどずっとラジコン好き。
とあるアーティストのMV撮影でDJI INSPIREでの撮影を目の当たりにしてドローン空撮を志す。現在はそのMV撮影時に飛ばしていた人に師事。

ドローンの他、登山とマラソンとロードバイクと天体撮影とラジコンと音楽とデリカスペースギアとPCとカレーが好き。 これら全部を活かして、旅をしながら稼げるバックパッカーとなり世界一周に憧れてます!
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